高校野球 年度別 選抜選考経過 1988年(昭63年)第60回大会

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各地区 前年1987年(昭62年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、不・・不戦勝・不戦敗、備考・・
北海道


         北照━┓7
            ┣━┐
       釧路北陽─┘5│4
              ┣━┓
       北海道工─┐1┃11┃
            ┣━┛ ┃
      函館有斗━┛8(7) ┃5
                ┣━┓
         石狩━┓10  │1┃
            ┣━┐ │ ┃
       北見緑陵─┘4│0│ ┃
              ┣━┘ ┃
        帯広北─┐3┃7(8) ┃
            ┣━┛   ┃
      苫小牧東━┛10(7)   ┃8
                  ┣━ 
       稚内大谷─┐2    │5
            ┣━┐   │
       室蘭大谷━┛6│6(10)│
              ┣━┓ │
        北海━┓3┃7┃ │
            ┣━┛ ┃ │
        旭川東─┘2  ┃8│
                ┣━┘
        砂川北━┓4(10)│1(7) 
            ┣━┐ │
       岩見沢農─┘3│5│
              ┣━┘
       函館高専─┐1┃8
            ┣━┛
       札幌第一━┛9(7) 
過去6年、北海道からの当選は1校だったが、今回は記念大会ということでもともと
出場枠の少ない北海道が増枠され2校が選ばれた。北海道から推薦されたのは6校。
6校のうち北照、札幌第一が試合内容などから除かれ候補は函館有斗、北海、苫小牧東
、室蘭大谷の4校に絞られた。まず北海道大会で優勝した函館有斗が順当に当選。
昨夏甲子園メンバーから大幅に代わったものの、試合運びがうまいと評価された。
残る3校のうち、室蘭大谷が実績から脱落。北海と苫小牧東と争いになった。その
結果、準優勝の結果を残した北海が選ばれ苫小牧東は補欠校にまわった。

東北


   福島北(福1)━━━┓6 
              ┣━┓
   日大山形(山2)━┓6│5┃
            ┣━┘ ┃
     秋田(秋1)─┘3  ┃15(7) 
                ┣━┐
   青森山田(青2)━┓7  │3│
            ┣━┐ │ │
    盛岡工(岩2)─┘3│1│ │
              ┣━┘ │
   仙台育英(宮1)━━━┛9(7) │2
                  ┣━ 
     高田(岩1)───┐4  ┃6
              ┣━┐ ┃
    郡山(福2)━┓6┃6│ ┃
            ┣━┛ │ ┃
     東陵(宮2)─┘3  │2┃
                ┣━┛
    能代商(秋2)─┐3  ┃3
            ┣━┓ ┃
 東海大山形(山1)━┛6┃5┃
              ┣━┛
     三沢(青1)───┘2
東北から推薦されたのは15校。記念大会とはいえ特別に推すような強力な材料が
なかったため、従来どおりの2校枠となった。推薦15校のうち、まず地区大会不
出場の3校、東北大会初戦敗退6校と1勝の青森山田が力不足を理由に除外された。
候補が5校に絞られ、東北大会優勝の東海大山形が文句なしの当選。もう1校を
残った4校の中から選ぶ。ベスト4の仙台育英がコールド負けが響いて外され、
福島勢2校と日大山形の3校の比較となり、(投手力に注文がついたようだが)
準優勝の実績を買われた福島北が当選した。補欠校は郡山。

関東


    甲府商(山2)─┐3
            ┣━┐
   高崎商(群1)━┛4│4(11) 
              ┣━┓
    水戸工(茨3)─┐4┃5┃
            ┣━┛ ┃
  桐蔭学園(神1)━┛5(10)┃4
                ┣━┐
   宇都宮工(栃2)━┓16(10)│2│
            ┣━┐ │ │
    大宮東(埼1)─┘15│0│ │
              ┣━┘ │
    鉾田一(茨2)─┐0┃2  │
            ┣━┛   │
   市船橋(千1)━┛1(10)  │3
                  ┣━ 
   鎌倉学園(神2)─┐0(7)   ┃7
            ┣━┐   ┃
 宇都宮学園(栃1)━┛7│0  ┃
              ┣━┓ ┃
    市銚子(千2)─┐4┃6┃ ┃
            ┣━┛ ┃ ┃
 東海大甲府(山1)━┛6  ┃1┃
                ┣━┛
   前橋育英(群2)─┐1(7) │0
            ┣━┓ │
   西武台(埼2)━┛8┃4│
              ┣━┘
  藤代紫水(茨1)───┘3
この数年は関東地区からのチームが甲子園で好成績を残しレベルの高さをアピールして
おり、また参加校も多い。このことが考慮されて関東の出場枠が従来の4校から5校
に増えた。今回推薦されたのは20校で、そのうち関東大会不出場の5校をまず力不足
として除外。15校の検討になり、まずは優勝の東海大甲府が満場一致の当選。攻走守
のバランスよく、鍛えられた守り、試合運びのうまさなどは全国上位の実力と高評価。
続いて準優勝の桐蔭学園が当選。機動力野球を展開し、地区大会で見せた粘りの野球
が身上のチーム。さらに西武台、市船橋のベスト4進出の2校が当選した。最後の
1校を選ぶにあたり、まずは藤代紫水を除く初戦敗退の7校が脱落。残った4校で
戦力の細かいところまで比較されて、結果新チーム結成以降38連勝を記録した
宇都宮学園が、その実績と投手力を買われて当選した。補欠校は1位が高崎商、2位
が藤代紫水になった。

東京


        南多摩─┐0(6) 
            ┣━┐
     国学院久我山━┛10│3
              ┣━┐
        修徳━┓3┃4│
            ┣━┛ │
         帝京─┘0  │3(11) 
                ┣━┐
      世田谷学園━┓4  ┃4│
            ┣━┐ ┃ │
       東京菅生─┘0│2┃ │
              ┣━┛ │
      早稲田実━┓9┃8  │
            ┣━┛   │ 
        桜美林─┘2(7)   │2
                  ┣━ 
         岩倉━┓5      ┃6
            ┣━┐   ┃
        日大二─┘2│0  ┃
              ┣━┓ ┃
        国士舘─┐1┃3┃ ┃
            ┣━┛ ┃ ┃
        堀越━┛5  ┃6┃
                ┣━┛
       日体荏原━┓7(11)│0
            ┣━┐ │
        日大三─┘6│1│
              ┣━┘
         桐朋─┐3┃11
            ┣━┛
      工学院大高━┛5
関東と同じく近年の活躍が目立つ東京。とはいえ増枠で3校当選とはならず出場枠は
2校。推薦4校は堀越、早稲田実、工学院大高、修徳の東京大会の4強。秋の大会を
圧倒的な強さで制し、また明治神宮大会でも優勝した大型右腕・竹内を擁する堀越が
文句なしで当選した。2校目を残った3校で争う。総合力で2校に劣るとされた工学院
大高が選外になり、早稲田実と修徳の戦力比較となった。結果、直接対決を制し準優勝
した試合巧者の早稲田実に軍配が上がった。修徳は投手力は評価されたが、下位打線
の弱さを指摘され補欠校へ。

北信越


     金沢(石1)───┐0
              ┣━┐
    上田(長1)━┓4┃2│
            ┣━┛ │
    新潟南(新3)─┘0  │1
                ┣━┐
    新発田(新2)─┐0(7) ┃3│
            ┣━┐ ┃ │
     丹生(福2)━┛7│2┃ │
              ┣━┛ │
   高岡商(富1)━━━┛3  │2
                  ┣━ 
   福井商(福1)━━━┓4  ┃5
              ┣━┓ ┃
    富山商(富2)━┓11│3┃ ┃
            ┣━┘ ┃ ┃
     柏崎(新3)─┘3(8) ┃4┃
                ┣━┛
     佐久(長2)─┐1(7) │3(12) 
            ┣━┐ │
     津幡(石2)━┛12│3│
              ┣━┘
     中越(新1)━━━┛4(12) 
実力伯仲で地区大会では好試合の連続になった北信越から推薦されたのは11校。
出場枠は従来どおりの2校になった。北信越大会出場校12校のうち、候補を各県
の1校である5校に絞って議論が展開された。そのうち大会未勝利の金沢が候補から
外れベスト4の4校が候補に残った。4校のチーム力、戦績の比較になり、優勝した
福井商が最初に当選した。次に総合力で劣ると判断された中越が脱落。準優勝の
高岡商と2試合連続完封を達成した好投手の日置がいる上田の比較となった。その
結果、直接対決で勝っている高岡商が当選した。上田は補欠校へ。

東海


    大垣商(岐1)───┐0
              ┣━┓
    東邦(愛2)━┓9┃3┃
            ┣━┛ ┃5
   四日市南(三3)─┘3  ┣━┓
                │1┃
    明野(三1)━━━┓5│ ┃
              ┣━┘ ┃
    浜北西(静2)━┓3│4  ┃
            ┣━┘   ┃
     岐阜(岐3)─┘1    ┃6
                  ┣━ 
    中京(愛1)━━━┓4  │3
              ┣━┓ │
   日生第二(三2)─┐1│3┃ │
            ┣━┘ ┃4│
   御殿場西(静3)━┛5  ┣━┘
                │0
   沼津学園(静1)───┐0│
              ┣━┘
  岐阜第一(岐2)━┓3┃4
            ┣━┛
     愛知(愛3)─┘1
東海4県からは12校が推薦された。出場枠は3校。東海大会出場校のうち、初戦
敗退の4校と2回戦で完封負けをした2校を選考外にして、残る6校の間で比較検討
に入った。優勝した東邦は地区大会優勝の実績に加え、勝率、打率ともに地区1位
という記録面でも文句なしの好成績を残して当選。準優勝の中京は昨夏のバッテリー
木村―小倉が健在で、県の決勝リーグでは東邦を破っており実力的には互角と見られ
2校目で当選した。残る4校で最後の枠を争うことになった。地区大会での敗戦が
9月以降での唯一の敗戦だった明野が安定した投手力を評価されて3校目の当選を
決めた。補欠校は岐阜第一。

近畿


    天理(奈1)━━━┓8
              ┣━┐
   八幡商(滋2)━┓7│4│
            ┣━┘ │
  市和歌山商(和2)─┘5  │2
                ┣━┐
     平安(京1)─┐3(8) ┃5│
            ┣━┐ ┃ │
 東洋大姫路(兵3)━┛10│1┃ │
              ┣━┛ │
   近大付(大1)━┓6┃3  │
            ┣━┛   │
   滝川二(兵2)─┘3    │3
                  ┣━ 
   智弁学園(奈2)─┐2    ┃8
            ┣━┐   ┃
    野洲(滋1)━┛5│3  ┃
              ┣━┐ ┃
    北陽(大3)━┓4┃4│ ┃
            ┣━┛ │ ┃
  神港学園(兵1)─┘2  │8┃
                ┣━┛
    上宮(大2)━┓7  ┃9
            ┣━┓ ┃
     花園(京2)─┘2┃9┃
              ┣━┛
    吉備(和1)───┘2(7) 

※ 不祥事により選抜推薦取り消し
近畿からは推薦19校、出場枠は7校。6府県を比較したところ、大阪、兵庫の両府
県のレベルが他と比べ高いという評価になり、今回は地域性を考慮する必要が
ない、と判断された。その結果、選考前にあった「大阪から3校は多すぎる」という
指摘を覆すことになった。まず明治神宮大会準優勝の実績を残した明石が兵庫4位と
いうことで、上位3校を凌ぐほどの要素はないとして選外へ。選考対象を近畿大会
出場校(推薦取り消しの吉備を除く)13校に絞った。ここでまずは初戦敗退組から
平安、花園、智弁学園、市和歌山商の4校が脱落した。残る9校の比較となり、まず
は近畿大会に優勝した攻撃力のある上宮、準優勝で投手力のある近大付、準決勝で
惜しくも敗れた北陽の大阪勢3校が高い総合力を評価されて当選した。ベスト4進出
の残り1校である天理もすんなり4校目として当選した。続いて8強進出の学校に目
を移す。5校目に浮上したのが、エース大崎を中心にまとまりの良い東洋大姫路。
練習試合で他地区の優勝校を破っているのも高い評価につながった。6校目には滋賀
県勢として久々に力強いチームと評された野洲が当選。最後の7校目の枠をめぐって
八幡商、神港学園、滝川二の3校の比較となった。八幡商は1勝したものの、投手力
や勝率などのデータに難があり外され、初戦敗退の兵庫2校の比較の結果、兵庫1位
の神港学園がわずかな差で評価が上回り、最後の枠にすべりこんだ。

中国


    南陽工(山2)───┐3
              ┣━┐
   倉吉東(鳥1)━┓6┃6│
            ┣━┛ │1
   岡山東商(岡2)─┘2  ┣━┓
                ┃11┃
   広島工(広2)━━━┓4┃ ┃
              ┣━┛ ┃
    松江商(島2)───┘3(10)┃4
                  ┣━ 
    鳥取西(鳥2)───┐3  │1
              ┣━┐ │
   江の川(島1)━━━┛4│ │
                │2│
    岡山南(岡1)─┐0  ┣━┘
            ┣━┓ ┃3
   西条農(広1)━┛4┃3┃
              ┣━┛
   宇部商(山1)───┘1
中国から推薦されたのは16校。記念大会ということもあり増枠で2年ぶり4校の出場枠
になった。推薦校のうち、中国大会不出場の6校は検討材料に乏しいということで除外
された。大会出場10校のうち、初戦で敗れた鳥取西、岡山東商、南陽工、松江商の4校
が力不足と判断され外された。対象6校のうちまず最初に当選したのが優勝の広島工。
レギュラー全員が3割を打ち、また機動力もあるチームだ。続いて準優勝の西条農も堅い
守りなどが評価されて2校目で当選した。3校目を決める前に初戦敗退の岡山南が脱落。
残った倉吉東、江の川、宇部商のなかから2校を選ぶことになった。主戦投手・河野を
筆頭にきびきびした試合ぶりを見せた倉吉東が準決勝での大敗も関係なく3校目に当選
した。最後の枠にすべりこんだのは大会で1勝もできなかった宇部商。左腕の好投手・
木村がいることと総合力評価で江の川を上回ったようだ(日頃の素行が選考に影響したともいわれる)。
補欠校は江の川。選考は全体的に記録よりはその他の要素が大きく影響した印象がある。

四国


    三本松(香2)─┐1
            ┣━┓
   高知商(高1)━┛6┃7
              ┣━┓
    富岡西(徳2)─┐0│3┃
            ┣━┘ ┃
  宇和島東(愛1)━┛11  ┃5
                ┣━ 
   松山商(愛2)━┓6  │2
            ┣━┐ │
   尽誠学園(香1)─┘4│1│
              ┣━┘
   明徳義塾(高2)─┐1┃2
            ┣━┛
  小松島西(徳1)━┛2
四国から推薦されたのは12校。中国地区との全体的なレベル比較によって出場枠が増減
するなか、今回の出場枠は昨年から1校減の3校となった。選考対象を四国大会出場の8校
に絞り選考開始。まず優勝の高知商、準優勝の小松島西の2校が抜け出した。高知商には岡、
小松島西には高井と共に全国トップクラスの投手を擁し、チーム力も高く文句なしの当選。
残る1枠を選考するにあたり慎重な議論に入った。まずは初戦敗退したチームから三本松、
富岡西が試合内容により脱落。続いて尽誠学園は投手力で、明徳義塾は打力の弱さで評価を
落とし選外へ。1勝した打力の宇和島東と試合巧者・松山商の愛媛勢2校の比較になった
ところ、県予選での直接対決を制した宇和島東が3校目の選抜切符を手に入れた。
松山商は惜しくも選から漏れ補欠校へ。

九州


   都城商(宮1)━━━┓5
              ┣━┓
    唐津西(佐2)───┘1┃5
                ┣━┐
     石川(沖1)───┐0│3│
              ┣━┘ │
     諫早(長2)━━━┛4  │4(7) 
                  ┣━┓
   熊本工(熊1)━━━┓10(7) ┃13┃
              ┣━┓ ┃ ┃
   佐伯鶴城(大2)───┘3┃3┃ ┃
                ┣━┛ ┃
   鹿児島実(鹿1)───┐1│1  ┃
              ┣━┘   ┃
    柳川(福南1)━━━┛5    ┃6
                    ┣━ 
     小倉(福北1)───┐2    │4
              ┣━┐   │
     知念(沖2)━━━┛4│2(7) │
                ┣━┐ │
   津久見(大1)━━━┓8┃9│ │
              ┣━┛ │ │
    宮崎南(宮2)───┘0(8) │1│
                  ┣━┘
    唐津商(佐1)───┐1  ┃5
              ┣━┐ ┃
   鹿児島商(鹿2)━━━┛5│0┃
                ┣━┛
     瓊浦(長1)───┐5┃8(8) 
              ┣━┛
  熊本工大高(熊2)─┐1┃8
            ┣━┛
  福岡第一(福南3)━┛9(8) 
九州から推薦されたのは23校、出場枠は4校。23校のうち地区大会不出場は6校
で、その内5校はすぐに除外。残り1校の神宮大会4強である中津工は検討されたもの
の、県予選での大敗が響いて外された。選考対象が九州大会出場校に絞られたのち、
優勝した熊本工が当選。「抜群の力を持っている」と評価も高い。準優勝の福岡第一も
問題なく当選。県南部予選は準決勝敗退で2位校の不祥事辞退による代役出場ながら
活躍。左腕・前田、スラッガーの山之内を擁する大型チームだ。3校目には4強で大型
右腕の川崎を擁する津久見。最後の4校目の候補にあがったのは都城商、柳川、知念、
諫早の4校で、その内、知念、諫早はチーム力が今ひとつとして圏外へ。柳川と都城商
の比較となり、主戦投手・古賀の投手力が評価された柳川が当選した。都城商は4強
ながらコールド負けが響いて補欠校へ。