高校野球 年度別 選抜選考経過 1985年(昭60年)第57回大会

前へ 次へ ページのトップへ トップへ 春選抜大会第57回へ 前年秋各地の予選へ 前年神宮大会へ


各地区 前年1984年(昭59年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、不・・不戦勝・不戦敗、備考・・
北海道


       札幌新川─┐0
            ┣━┓
     北海道日大━┛4┃9(7) 
              ┣━┓
        函館西─┐1│2┃
            ┣━┘ ┃
        中標津━┛2  ┃5
                ┣━┐
      網走南ヶ丘─┐2(10)│0│
            ┣━┐ │ │
         北照━┛3│3│ │
              ┣━┘ │
        名寄工─┐0┃7  │
            ┣━┛   │
         石狩━┛6    │1
                  ┣━ 
     駒大岩見沢━┓8    ┃2
            ┣━┓   ┃
       東海大四─┘6┃10(7) ┃
              ┣━┓ ┃
       白樺学園━┓5│1┃ ┃
            ┣━┘ ┃ ┃
       函館有斗─┘1  ┃5┃
                ┣━┛
        砂川北━┓4  │4
            ┣━┐ │
        室蘭工─┘0│2│
              ┣━┘ 
       旭川竜谷━┓8┃3
            ┣━┛
         北海─┘6
北海道から推薦されたのは北海道大会で準決勝に進出した4校で、出場枠は1校。
4校のうち、ベスト4の石狩が総合力が弱いとして落選。同じくベスト4の旭川竜谷
も投手力に問題ありとして落選。決勝進出の駒大岩見沢と北海道日大の比較になった。
北海道日大は北海道NO.1左腕と評判の投手・坂を擁し投手力では駒大岩見沢を
凌ぐ。総合力では駒大岩見沢のほうが上。比較の結果、優勝の駒大岩見沢が競り
勝って当選を果たした。北海道日大は補欠校へ。

東北


  学法石川(福1)━━━┓2 
              ┣━┐
   黒沢尻工(岩2)─┐7│1│
            ┣━┘ │
  東海大山形(山2)━┛8(11)│3
                ┣━┓
 秋田経法大付(秋1)━┓2  ┃4┃
            ┣━┐ ┃ ┃
   仙台育英(宮2)─┘0│0┃ ┃
              ┣━┛ ┃
   弘前工(青1)━━━┛7(7) ┃3
                  ┣━ 
    東北(宮1)━━━┓6  │0
              ┣━┓ │
     会津(福2)━┓3│2┃ │
            ┣━┘ ┃ │
     秋田(秋2)─┘1(10)┃7│
                ┣━┘
    青森商(青2)─┐2  │3
            ┣━┐ │
    花巻東(岩2)━┛3│3│
              ┣━┘
   日大山形(山1)━━━┛10(8) 
前年春「みちのく旋風」を巻き起こした東北から推薦されたのは13校。出場枠は例年
と同じ2校。東北大会4強の弘前工、東北、学法石川、日大山形に候補を絞って選考
が進められた。投手力に難点ありとの理由で日大山形が除外され、候補は3校に。
優勝の弘前工は攻守にパワーがあるとして当選。続いて当選したのが東北。大型右腕
の佐々木の出来次第では東北一の戦力との声もある。学法石川は投打に力があると
評価されたが、惜しくも当選ならず補欠校へ。

関東


   熊谷商(埼2)━┓5
            ┣━┓
   土浦日大(茨1)─┘0┃7(7) 
              ┣━┐
   東農大二(群3)━┓7│0│
            ┣━┘ │
     葛生(栃1)─┘6  │6
                ┣━┓
     日川(山2)─┐5  ┃8┃
            ┣━┓ ┃ ┃
 東海大浦安(千1)━┛7┃8┃ ┃
              ┣━┛ ┃
     前橋(群3)━┓13│4  ┃
            ┣━┘   ┃
    法政二(神1)─┘11    ┃6
                  ┣━ 
   拓大紅陵(千2)─┐1    │1
            ┣━┓   │
    秀明(埼1)━┛4┃4(10)│
              ┣━┓ │
  江戸川学園(茨2)─┐1│3┃ │
            ┣━┘ ┃ │
 東海大甲府(山1)━┛9(7) ┃5│
                ┣━┘
    横浜(神2)━┓12(5) │4
            ┣━┓ │
   宇都宮南(栃2)─┘1┃4│
              ┣━┘
    前橋工(群1)───┘3
関東から推薦されたのは21校。出場枠は4校。まずは推薦校をふるいにかける。候補を
関東大会8強に絞り、さらにここからコールド負けの東農大二、失点が多かった前橋、未
勝利の前橋工の3校が外された。残った5校、東海大浦安、秀明、横浜、熊谷商、東海大
甲府の間で多角的な視点での比較が行われた。まず抜け出したのが優勝した東海大浦安。
優勝の実績はもちろん、Aランクとされる打力も魅力のチーム。2校目には粘り強い野球で
準優勝の実績を残した秀明が当選、創部わずか5年目での快挙となった。また県勢初の私学
の甲子園出場となる。続いて横浜と熊谷商の比較になり、投打にスケールの大きい横浜が
3校目に当選した。4校目には関東大会での好投が光った本格派・原口がいる熊谷商が
選ばれた。地域性で東海大甲府にも最後の枠に滑り込むチャンスはあったが、比較となった
熊谷商に投手力、攻撃力の面で遅れをとり補欠校へ。

東京


       安田学園─┐7
            ┣━┐
       東亜学園━┛9│6(8) 
              ┣━┓
         豊南─┐2┃13┃
            ┣━┛ ┃
        帝京━┛10(7) ┃12(5) 
                ┣━┐
        桜美林─┐1  │0│
            ┣━┐ │ │
       東京菅生━┛7│1│ │
              ┣━┘ │
      日大鶴ヶ丘━┓6┃3  │
            ┣━┛   │ 
        八王子─┘0    │3
                  ┣━ 
       正則学園─┐0      ┃4
            ┣━┓   ┃
      早稲田実━┛4┃5  ┃(13)
              ┣━┐ ┃
       日体荏原─┐1│0│ ┃
            ┣━┘ │ ┃
        日大一━┛4  │1┃
                ┣━┛
    国学院久我山━┓5  ┃8(7) 
            ┣━┓ ┃
     二松学舎大付─┘1┃6┃
              ┣━┛
       武蔵村山─┐0│3
            ┣━┘
       明大中野━┛9(7) 
東京の出場枠は4校。東京大会4強である国学院久我山、帝京、早稲田実、日大鶴ヶ丘
の戦力検討開始。準決勝でのスコアからもわかるとおり、優勝の国学院久我山と準優勝
の帝京の実力が群を抜いているとして両校が文句なしで当選した。国学院久我山は三和
―秋元が投打の中心で、選抜出場校中屈指のバッテリーと評価も高い。帝京は打力に
自信を持つ。小林昭の.524をはじめ4割打者をずらりと並べ「やまびこ打線」を凌駕する
力を秘めている、との声もある。補欠校は早稲田実。

北信越


  松商学園(長1)━━━┓4
              ┣━┓
    糸魚川(新2)─┐5│1┃
            ┣━┘ ┃
   金沢市工(石2)━┛6  ┃6
                ┣━┓
    羽咋(石3)━┓5  │2┃
            ┣━┓ │ ┃
    福井商(福1)─┘2┃5│ ┃
              ┣━┘ ┃
    高岡商(富1)───┘1  ┃9
                  ┣━ 
    新潟工(新1)───┐2  │6
              ┣━┐ │
     敦賀(福2)─┐2┃7│ │
            ┣━┛ │ │
   北陸大谷(石3)━┛3  │7│
                ┣━┘
    長野(長2)━┓9(8) ┃8
            ┣━┓ ┃
   高岡第一(富2)─┘2┃6┃
              ┣━┛
     星稜(石1)───┘5(13) 
北信越から推薦されたのは16校。出場枠は2校。1年生中心の若いチームながら
北信越大会で優勝した松商学園は明治神宮大会でも準優勝しており、実績では申し分
なしとして当選。2校目の候補にあがったのは北信越大会準優勝の長野と準決勝で
敗れた羽咋。戦力評価でことごとく上回った長野が地域性の壁をはねのけ2校目で
当選。長野県勢55年ぶりアベック出場の快挙だ。羽咋は補欠校へ。

東海


   県岐阜商(岐1)───┐2(8) 
              ┣━┓
    東邦(愛2)━┓10┃9┃
            ┣━┛ ┃2
     南勢(三3)─┘0(5) ┣━┓
                │1┃
    明野(三1)━━━┓5│ ┃
              ┣━┘ ┃
   清水市商(静2)━┓10│3  ┃
            ┣━┘   ┃
     大垣(岐3)─┘4    ┃15
                  ┣━ 
    静岡(静1)━━━┓7  │14
              ┣━┐ │
   市岐阜商(岐2)─┐0│5│ │
            ┣━┘ │4│
  愛工大名電(愛3)━┛1  ┣━┘
                ┃6
     享栄(愛1)───┐4┃
              ┣━┛
     海星(三2)─┐5┃7
            ┣━┛
   浜松商(静3)━┛6
東海から推薦されたのは12校。出場枠は3校。強力打線で東海大会を制した東邦が
真っ先に当選した。準優勝の浜松商も県3位ながら東海大会では県1位の享栄、静岡
を次々撃破。1試合ごとに実力をつけて躍進した実績を買われて文句なく当選した。
最後の3校目には明野と静岡が候補にあがった。その結果、新チームでの勝率の良さ、
総合力比較で上回った明野が出場権を得た。静岡は補欠校へ回った。

近畿


    堅田(滋1)───┐2
              ┣━┐
    京都西(京2)─┐2┃4│
            ┣━┛ │
    広陵(奈2)━┛6  │2(7) 
                ┣━┐
  報徳学園(兵1)━┓4  ┃9│
            ┣━┐ ┃ │
     桜宮(大3)─┘2│1┃ │
              ┣━┛ │
  PL学園(大1)━┓8┃2  │
            ┣━┛   │
   御坊商工(和2)─┘0(7)   │0
                  ┣━ 
  東海大仰星(大2)─┐2    ┃1
            ┣━┐   ┃
    天理(奈1)━┛3│3(10)┃
              ┣━┓ ┃
 東洋大姫路(兵3)━┓4┃4┃ ┃
            ┣━┛ ┃ ┃
     大谷(京1)─┘2  ┃6┃
                ┣━┛
  神港学園(兵2)━┓4  │4
            ┣━┐ │
    比叡山(滋2)─┘3│2│
              ┣━┘
 智弁和歌山(和1)━━━┛4
近畿から推薦されたのは16校。出場枠は7校。近畿大会優勝の東洋大姫路と準優勝
のPL学園が順当に当選。東洋大姫路は下手投げの豊田を中心とした守備のチーム。
近畿決勝でPL相手にホームスチールの奇襲であげた虎の子の1点を守りきるなど
勝負強い。PL学園は超高校級の桑田、清原を擁し実力では他を圧倒する。時折打線
がもろさを見せるが、それでも「最強チーム」であることは変わりない。続いて4強
の智弁和歌山が実力的に問題なしとして3校目に当選。4校目にはPLと互角の勝負
をした報徳学園が選ばれた。5校目には投打に充実している天理が当選。4強進出の
広陵が遅れはしたものの、しぶとい戦いぶりを評価されて6校目で当選。最後の7校
目は難航した。滋賀1位、地区未勝利の堅田か、地区1勝の神港学園か。神港学園が
選ばれれば同一県から3校の選出となり、それでは地域的に偏りすぎるとなり堅田
が7校目で当選した。地域性で涙を呑んだ神港学園は補欠校へ。

中国


   宇部商(山1)━━━┓2
              ┣━┓
    広島工(広1)─┐1│0┃
            ┣━┘ ┃8
   倉敷商(岡1)━┛3  ┣━┓
                │2┃
    大田(島2)━━━┓9│ ┃
              ┣━┘ ┃
    倉吉西(鳥2)───┘2(7) ┃6
                  ┣━ 
    南陽工(山2)───┐1(8) │3
              ┣━┓ │
   広島商(広2)━━━┛8┃ │
                ┃5│
    関西(岡2)━┓13(8) ┣━┘
            ┣━┓ │1
     浜田(島1)─┘6┃1│
              ┣━┘
      境(鳥2)───┘0
中国から推薦されたのは16校、出場枠は3校。中国大会優勝の宇部商がまず文句なし
で当選した。田上―田処のバッテリー中心に安定した戦いぶりを見せた。準優勝の
広島商も当選。伝統の小技のうまさに加え、クリーンアップは4割近い打率を誇るなど
打力もある。3校目は横一戦。準決勝で敗れた大田、関西に1勝どまりながら善戦した
倉敷商。岡山2校の比較になり、その結果、倉敷商が県1位であることと関西との直接
対決で2連勝していることを評価されて3校目で当選した。補欠校は1位が関西、2位
が大田になった。

四国


    八幡浜(愛1)─┐0
            ┣━┐
    池田(徳2)━┛3│1(12)
              ┣━┐
   三本松(香1)─┐3┃4│
            ┣━┛ │
   伊野商(高2)━┛4  │3
                ┣━ 
   徳島商(徳1)━┓2  ┃5
            ┣━┐ ┃
     高瀬(香2)─┘1│2┃
              ┣━┛
  明徳義塾(高1)━┓3┃3
            ┣━┛
    西条(愛2)─┘1

※ 不祥事により選抜推薦取り消し
四国は地区大会優勝で当選確実、全国制覇も圏内の実力といわれた明徳義塾が選考前
に選手とは関係のない不祥事で推薦取り消し。これにより推薦校は1校減って11校。
出場枠は5年連続で4校を確保した。最初に当選したのは準優勝の伊野商。好投手の
右腕・渡辺を擁し、決勝では明徳の好投手・山本から13本のヒットを放つなど全国
的に見ても総合力は高いと評価された。2校目には徳島商が選ばれた。勝率、チーム
打率は低いが好投手の広永を中心に力を認められた。3校目で当選したのは池田。
総合力が高く打線は切れ目がない。4校目は大会未勝利ながら善戦した西条。主戦
投手・黒子の好投と地域性で最後の枠に滑り込んだ。三本松も捨てがたいところだった
が、初戦で13三振を喫したのがマイナスとなり補欠校へ回った。

九州


 鹿児島商工(鹿1)━━━┓8
              ┣━┓
   宮崎日大(宮1)─┐4│5┃
            ┣━┘ ┃
    興南(沖3)━┛14(7) ┃5
                ┣━┓
  佐世保実(長1)━┓5  │2┃
            ┣━┐ │ ┃
    那覇商(沖2)─┘0│2│ ┃
              ┣━┘ ┃
    東筑(福北1)━━━┛4  ┃7
                  ┣━ 
    済々黌(熊1)───┐0(7) │6
              ┣━┐ │
   津久見(大1)━┓7┃9│ │
            ┣━┛ │ │
   鹿児島商(鹿2)─┘3  │0│
                ┣━┘
     鳥栖(佐1)─┐2(10)┃1
            ┣━┓ ┃
  東海大五(福南1)━┛3┃10┃
              ┣━┛
    豊見城(沖1)───┘0(6) 
九州から推薦されたのは全国最多の26校。出場枠は4校。最初に当選したのが九州
大会を制した鹿児島商工。前年夏甲子園8強メンバーを軸に集中打で勝ち進んだ。2
校目には準優勝の東海大五が選ばれた。レギュラーの平均身長176センチの大型
チームで、新チームの勝率も34勝2敗1分と非常に良い。3校目には九州4強で
制球力のあるエース田中の好投が光った津久見。最後の4校目の候補にあがったのは
東筑と佐世保実の2校。その結果、直接対決で勝っている東筑が4校目で当選した。
補欠校は1位が佐世保実、2位が興南となった。