高校野球 年度別 選抜選考経過 1984年(昭59年)第56回大会

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各地区 前年1983年(昭58年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、不・・不戦勝・不戦敗、備考・・
北海道


      駒大苫小牧───┐0
              ┣━┓
        帯広工─┐1┃3┃
            ┣━┛ ┃
      函館有斗━┛6  ┃8(7) 
                ┣━┓
        小樽工─┐0  │1┃
            ┣━┐ │ ┃
       釧路江南━┛3│2│ ┃
              ┣━┘ ┃
      駒大岩見沢━┓2┃6  ┃
            ┣━┛   ┃
        札幌西─┘1    ┃1
                  ┣━ 
       室蘭大谷━┓5    │0
            ┣━┓   │
       旭川大高─┘2┃12(7) │
              ┣━┐ │
         北海─┐3│3│ │
            ┣━┘ │ │
        北見商━┛4  │3│
                ┣━┘
       砂川北━┓7  ┃5
            ┣━┓ ┃
       札幌清田─┘6┃3┃
              ┣━┛
         稚内─┐3│1
            ┣━┘
        檜山北━┛10(8) 

※ 不祥事により選抜出場辞退
北海道から推薦されたのは北海道大会でベスト4に残った函館有斗、砂川北、駒大
岩見沢、室蘭大谷の4校。出場枠は1校。ベスト4で敗退した2校は決勝進出の2校
を上回る要素がないとして除外。函館有斗と砂川北の比較となり、函館有斗が優勝した
実績を買われて当選した。補欠校は砂川北。・・その後、函館有斗が不祥事のため
選抜出場辞退。補欠校の砂川北が代打出場することになった。

東北


  五所川原(青1)━━━┓6
              ┣━┐
   聖光学院(福2)━┓5│1│
            ┣━┘ │
     横手(秋2)─┘2  │2
                ┣━┓
    山形南(山2)─┐1(7) ┃8┃
            ┣━┓ ┃ ┃
   大船渡(岩1)━┛14┃7┃ ┃
              ┣━┛ ┃
     東北(宮1)───┘1  ┃4
                  ┣━ 
     郡山(福1)───┐0(10)│3
              ┣━┐ │
  八戸工大一(青2)─┐1┃1│ │(16)
            ┣━┛ │ │
    花巻東(岩2)━┛4  │2│
                ┣━┘
    羽黒工(山1)━┓6  ┃9(7) 
            ┣━┐ ┃
    白石工(宮2)─┘1│0┃
              ┣━┛
   金足農(秋1)━━━┛8(7) 
東北から推薦されたのは14校。出場枠は2校。まず候補を東北大会出場12校に絞る。
ここで大会に出場していない学法石川と仙台工が脱落した。12校をデータ比較などで
更に絞って東北大会ベスト4進出の4校が残った。決勝進出の2校の実力が群を抜くと
して優勝の大船渡、準優勝の金足農の2校が順当に当選した。大船渡は制球の良い
左腕の金野を擁する。金足農は打線に破壊力を持ち、総合力では大船渡よりも上と
評価される。ベスト4敗退の2校は大敗したことが響いて、最終段階で落とされた。
補欠校は五所川原。

関東


    越谷西(埼2)─┐2
            ┣━┐
   桐蔭学園(神1)━┛6│1
              ┣━┐
    習志野(千2)─┐4┃2│
            ┣━┛ │
 東海大甲府(山1)━┛7  │0(7) 
                ┣━┓
     葛生(栃2)─┐3  ┃9┃
            ┣━┓ ┃ ┃
   取手二(茨1)━┛5┃5┃ ┃
              ┣━┛ ┃
    成田西(千3)━┓5│2  ┃
            ┣━┘   ┃
     前橋(群1)─┘4    ┃2
                  ┣━ 
    前橋工(群2)─┐0    │0
            ┣━┐   │
    川口工(埼1)━┛1│0(7) │
              ┣━┓ │
    明野(茨2)━┓2┃7┃ │
            ┣━┛ ┃ │
   宇都宮南(栃1)─┘0  ┃6│
                ┣━┘
   法政二(神2)━┓1  │1
            ┣━┐ │
   日大明誠(山2)─┘0│6│
              ┣━┘
  拓大紅陵(千1)━━━┛7
関東から推薦されたのは18校。出場枠は前年に続き4校を確保した。関東大会出場校
と大会不出場ながら実力を認められた土浦日大の計16校を選考の対象にしてここから
選考開始。関東大会未勝利の7校にまずチェックが入り、優勝した取手二に善戦した
葛生を除く6校がふるい落とされた。さらに1勝した川口工と成田西が実力不足を理由
に除外された。残った8校から今度は上位校に目を移す。優勝した取手二が最初に当選
した。エース右腕の石田は大会屈指の本格派で打線もよく打つ。大会3強の一角と高い
評価を得た。続いて準優勝の明野が左腕・鈴木の安定した投球などを評価され当選した。
ここで地域性、勝率で土浦日大と葛生が脱落した。3校目に浮上したのは4強進出で
将来性を期待された拓大紅陵。最後の4校目の候補には桐蔭学園、法政二、東海大甲府
の3校があがった。このうち、勝率に問題ありとして桐蔭学園が圏外へ。2校の争いに
なった結果、打力のある法政二が競り勝ち4校目の選抜切符を手にした。東海大甲府は
4強進出ながらコールド負けがマイナスとなり当選ならず補欠校へ。

東京


        日大三━┓4
            ┣━┓
       明大中野─┘0┃6
              ┣━┐
        国分寺─┐0│5│
            ┣━┘ │
      日大鶴ヶ丘━┛2  │2(10)
                ┣━┓
       日大豊山─┐0(6) ┃3┃
            ┣━┐ ┃ ┃
       日本学園━┛10│0┃ ┃
              ┣━┛ ┃
        岩倉━┓10┃4  ┃
            ┣━┛   ┃
         城西─┘2(7)   ┃3
                  ┣━ 
     二松学舎大付━┓10(5)     │2
            ┣━┐   │
         高島─┘0│2  │
              ┣━┐ │
       佼成学園─┐2┃5│ │
            ┣━┛ │ │
       日大一━┛4  │4│
                ┣━┘
     国学院久我山─┐2  ┃5
            ┣━┓ ┃
       法政一━┛7┃5┃
              ┣━┛
      昭和第一工─┐0│4(11)
            ┣━┘
        国学院━┛1
東京は過去に実績を持つ学校が不振で大会は混戦となった。全体レベルは低下したと
いう厳しい評価とはいえ例年通りの2校の出場枠を得た。推薦されたのは東京大会
ベスト4進出の4校。まず最初に当選したのが優勝した岩倉。下位打線は少し弱いが
打線の迫力がある。投手は山口、内田の二本柱で、明治神宮大会優勝の実績もある。
2校目を残った3校から選ぶ。投手力に難点ありとして日大三が脱落し、法政一と
日大一の比較になった。その結果、直接対決を制した法政一が当選した。補欠校は
日大一。

北信越


    丸子実(長1)───┐2
              ┣━┓
    星稜(石2)━┓10┃5┃
            ┣━┛ ┃
     美方(福2)─┘5  ┃5
                ┣━┓
     若狭(福3)─┐7  │0┃
            ┣━┐ │ ┃
    北越商(新2)━┛8│0│ ┃
              ┣━┘ ┃
  高岡第一(富1)━━━┛6  ┃13
                  ┣━ 
     寺井(石1)───┐3  │0
              ┣━┓ │
    新津(新1)━┓3┃6┃ │
            ┣━┛ ┃ │
    敦賀工(福3)─┘2(11)┃6│
                ┣━┘
    長野商(長2)─┐1  │0
            ┣━┐ │
    高岡南(富2)━┛2│3│
              ┣━┘
     敦賀(福1)━━━┛6
北信越から推薦されたのは13校。東海・北信越に割り振られた5校の出場枠のうち、
今回は東海4、北信越1になることも十分考えられたが、なんとか2校の出場枠を確保
した。県2位通過ながら北信越大会を圧倒的な強さで制した星稜が県1位の寺井との
比較ののち、当選した。2校目は準優勝の新津、ベスト4で敗れた高岡第一、敦賀の
3校の比較となり、新津が当選した。新津は決勝での大敗が影響するかと思われたが、
ダブルヘッダーということが考慮され、点差ほどの力の差はないという結論に至った。
補欠校は高岡第一。

東海


     三重(三1)───┐1
              ┣━┓
    愛知(愛2)━┓10┃4┃
            ┣━┛ ┃4
   岐阜第一(岐3)─┘2(7) ┣━┐
                │0│
    大垣(岐1)━━━┓6│ │
              ┣━┘ │
   富士宮西(静2)━┓10│4  │
            ┣━┘   │
   四日市工(三3)─┘0(6)   │0
                  ┣━ 
 愛工大名電(愛1)━━━┓4  ┃1
              ┣━┓ ┃
    岐阜南(岐2)━┓6│1┃ ┃
            ┣━┘ ┃6┃
     韮山(静3)─┘3  ┣━┛
                │4
  日大三島(静1)━━━┓6│
              ┣━┘
   日生第一(三2)─┐1│5
            ┣━┘
     東邦(愛3)━┛5
東海から推薦されたのは12校。出場枠は3校。東海大会で優勝した愛工大名電と準
優勝の愛知の愛知勢2校が抜群の力を持つとして異論なく早速選ばれた。共に強力
打線を持ち、全国でも評価が高い。3校目の候補には日大三島、大垣、東邦、岐阜南、
富士宮西があがった。データ比較で岐阜南、富士宮西が脱落。続いて東邦が地域性で
除外された。残った2校の比較で日大三島が粘り強い野球を認められて当選した。
本格派右腕の東を中心に好チームと評された大垣は補欠校へ回った。

近畿


  智弁学園(奈1)━━━┓7
              ┣━┐
    明石商(兵2)━┓10│2│
            ┣━┘ │4再2
    八幡商(滋3)─┘1  ┣━┓
                ┃7┃
  PL学園(大1)━━━┓8┃ ┃
              ┣━┛ ┃
     紫野(京3)───┘0(7) ┃11(7) 
                  ┣━┓
    花園(京2)━━━┓5  │2┃
              ┣━┐ │ ┃
     桐蔭(和2)───┘4│3│ ┃
                ┣━┘ ┃
     長浜(滋1)───┐0┃5  ┃
              ┣━┛   ┃
   近大付(大3)━━━┛7(8)再1 ┃7
                    ┣━ 
     市川(兵3)───┐1    │1
              ┣━┓   │
  和歌山工(和1)━━━┛3┃3  │
                ┣━┐ │
    高島(滋2)━━━┓7│0│ │
              ┣━┘ │ │
     畝傍(奈2)───┘5(10)│3│
                  ┣━┘
     天理(奈3)───┐3(8) ┃5
              ┣━┓ ┃
   京都西(京1)━━━┛10┃ ┃
                ┃9┃
   三国丘(大2)━┓10(7) ┣━┛
            ┣━┐ │2(7) 
     耐久(和3)─┘2│2│
              ┣━┘
   私神港(兵1)━━━┛4


再1 1試合目は12回1−1日没引き分け

再2 1試合目は9回1−1日没引き分け
近畿から推薦されたのは18校。出場枠は4校。選考は近畿大会の内容はもちろん
のこと、優勝したPL学園とのからみも大きく影響した。PL学園がまず投打に抜群
の力を持つとして文句なしで当選した。続いて準優勝で強打の京都西が初の選抜を
手にした。3校目には左腕・森岡を中心に安定した戦いで4強進出を果たした和歌山
工が当選。4校目には準々決勝でPLと引き分け再試合の接戦を演じた智弁学園が
好投手・桑田を打ち込んだ打線を評価されて当選した。残る3つの枠を実力拮抗の
近大付、私神港、三国丘、高島、長浜、花園、明石商の7校の間で比較検討すること
になった。まず抜け出したのが、練習試合含む勝率の高さを評価された私神港。次に
当選にはアピール不足の花園と明石商が落選した。残る2校の枠を高島と長浜の
滋賀勢、近大付と三国丘の大阪勢からそれぞれ1校当選させることになった。高島と
長浜の比較では大会1勝の高島が県1位の長浜の評価を上回って当選した。最後の枠、
近大付、三国丘をどちらにするかで議論が白熱した。最終的にはPLとの試合内容が
大きく影響した。予選と地区大会両方PLに大差で敗れた近大付に対して、三国丘は
予選でPLに善戦している。また三国丘の主戦投手・松田はPLの桑田に次ぐ好投手
の呼び声高い。このことから三国丘が最後の枠にすべりこみ、50年ぶりの選抜切符
を手にした。補欠校は1位が近大付。2位が花園。

中国


      境(鳥2)───┐3
              ┣━┓
     玉野(岡2)─┐3┃4┃
            ┣━┛ ┃3(10)
 多々良学園(山1)━┛4(13)┣━┓
                │2┃
    広陵(広2)━━━┓5│ ┃
              ┣━┘ ┃
     大社(島1)───┘4  ┃7
                  ┣━ 
   鳥取城北(鳥1)───┐5  │2
              ┣━┓ │
  近大福山(広1)━━━┛6┃ │
                ┃2│
     平田(島2)─┐4  ┣━┘
            ┣━┐ │0
   岡山南(岡1)━┛5│5│
              ┣━┘
   宇部商(山2)━━━┛6
中国から推薦されたのは14校。出場枠は3校。前年と比較して全体的にレベルアップ
したとはいえず、出場枠1プラスを獲得するには至らなかった。まず最初に当選したの
が、粘りの野球で中国大会を制した多々良学園。速球投手・岡田を擁して準優勝を果た
した近大福山もあっさり当選。多々良学園は曹洞宗専門支校をルーツとする仏教系の
学校で、部訓は「球禅一昧」。近大福山は禅学科出身の麻生監督の教えが「球禅一如」。
いずれも「禅」の心で躍進を図る。残る1枠をめぐって広陵、宇部商の4強組と地域性
で浮上した岡山南の計3校で比較検討に入った。その結果、準決勝で延長の末敗れた
広陵が当選した。補欠校は1位が宇部商、2位が岡山南。

四国


   伊野商(高2)─┐5
            ┣━┓
   丸亀商(香1)━┛9┃13(10)
              ┣━┐
  新居浜高専(愛2)─┐1│12│
            ┣━┘ │
    池田(徳1)━┛11  │4
                ┣━ 
    高松商(香2)─┐2  ┃5
            ┣━┐ ┃
   松山商(愛1)━┛5│5┃(11)
              ┣━┛
    富岡西(徳2)─┐0┃7
            ┣━┛
    明徳(高1)━┛11

徳島商(地区大会不出場)

※ 不祥事により推薦辞退
前年選抜優勝校の池田が不祥事により推薦辞退したことにより、四国の推薦校は1校
減の11校。出場枠は4校。四国大会優勝の明徳が一番手で当選した。エース・山本賢
は好投手で攻撃、守備もハイレベルで全国Aランクの評価を得た。続いて準優勝の丸亀
商と1勝した松山商が当選した。丸亀商は投手力を今ひとつだが、破壊力では明徳を
凌ぐ力があると認められた。松山商は伝統校らしく基本に忠実な野球を展開し、伸び
しろがあると評価された。最後の4校目の候補には、明徳に3勝1敗1分と勝ち越し
ている伊野商と地区大会不出場ながら池田と互角の勝負を演じた徳島商の比較になり、
これが難航した。伊野商は勝率では徳島商を上回るが、総合力では徳島商が上。比較
の結果、10月以降での試合分析で内容が上回ったとされた徳島商が4校目の出場権
を手にした。補欠校は伊野商。

九州


  佐世保実(長1)━━━┓6
              ┣━┓
   大分商(大1)━┓9│4┃
            ┣━┘ ┃
    都城西(宮3)─┘6  ┃4
                ┣━┐
  鹿児島実(鹿1)━┓6  │1│
            ┣━┐ │ │
    延岡工(宮2)─┘1│7│ │
              ┣━┘ │
 福岡大大濠(福南1)━━━┛8  │2
                  ┣━ 
    都城(宮1)━━━┓1  ┃10
              ┣━┓ ┃
     鎮西(熊1)─┐4│0┃ ┃
            ┣━┘ ┃ ┃
   佐賀商(佐1)━┛5  ┃7┃
                ┣━┛
   八幡大付(福北1)━┓10(5) │0(7) 
            ┣━┐ │
    伊集院(鹿2)─┘0│0│
              ┣━┘
   沖縄水産(沖1)━━━┛6
九州は地区大会で大味な試合が多かったとして、レベルはあまり高くないと厳しい声
が聞かれたが、それでも4校の出場枠には問題なし。九州大会優勝の都城が投打に一
頭抜きん出ているとしてまず当選した。次に若いチームながら準優勝の佐世保実がその
実績と実力を買われて当選した。残りの2校の枠を4強進出の福岡大大濠、沖縄水産
と、優勝した都城に惜しくもベスト8で敗れた佐賀商の計3校で争った。福岡大大濠
は試合内容はさほど評価されなかったが、激戦の福岡を勝ちあがり勝率8割を記録した
ことやムラのない打線などを評価され3校目で当選。最後の4校目には1勝どまり
ながら堅実な野球の佐賀商が選ばれた。4強進出ながら沖縄水産はコールド負けが
響いて選から漏れた。補欠校は1位が大分商、2位が鹿児島実となった。最終選考まで
残った沖縄水産はなぜか補欠校にも選ばれなかった(前監督のCM出演が原因?)。