高校野球 年度別 選抜選考経過 1980年(昭55年)第52回大会

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各地区 前年1979年(昭54年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、不・・不戦勝・不戦敗、備考・・
北海道


      東海大四━━━┓2(10) 
              ┣━┓
       帯広三条─┐0│1┃
            ┣━┘ ┃
       函館有斗━┛11(7) ┃7
                ┣━┓
        砂川南━┓12  │2┃
            ┣━┐ │ ┃
       小樽潮陵─┘6│0│ ┃
              ┣━┘ ┃
        旭川実━┓10┃1  ┃
            ┣━┛   ┃
      札幌琴似工─┘2(7)   ┃5
                  ┣━ 
       北見北斗───┐1(7) │2
              ┣━┓ │
       稚内大谷─┐2┃8┃ │
            ┣━┛ ┃ │
      室蘭大谷━┛3  ┃5│
                ┣━┘
        根室西━┓12(7) │2
            ┣━┐ │
       札幌開成─┘0│1│
              ┣━┘
      駒大岩見沢━━━┛6
北海道の出場枠は1校で候補にあがったのは東海大四、室蘭大谷、駒大岩見沢の3校。
北海道大会優勝の東海大四は投打のバランス良く総合力に優れている。準優勝の室蘭
大谷は打力では東海大四を凌ぐ。また駒大岩見沢は好投手の山下が評価されている。
決勝進出の2校のどちらかを当選させることになって両校の比較となり、その結果、
地区大会決勝での対決だけでなく練習試合でも直接対決で勝っている東海大四が選ば
れた。室蘭大谷は補欠校へ。

東北


   秋田商(秋1)━┓13(7) 
            ┣━┓
    新庄農(山1)─┘0┃3
              ┣━┐
    福岡(岩1)━┓6│2│
            ┣━┘ │
     大湊(青2)─┘0  │2
                ┣━ 
    弘前南(青3)─┐1  ┃4
            ┣━┓ ┃
    東北(宮1)━┛6┃4┃
              ┣━┛
 五所川原農林(青1)━┓1│0
            ┣━┘
     双葉(福1)─┘0
東北の出場枠は2校。候補に残ったのは五所川原農林、福岡、秋田商、東北の東北大会
ベスト4進出の4校。東北大会優勝に加え神宮大会でも活躍した東北がまず当選した。
甲子園マウンド経験豊富の左腕・中条と強打者の安部を中心とするチーム。次に五所川
原農林が圏外へ去り、秋田商と福岡の比較になった。その結果、直接対決を制し決勝
進出の実績を残した安保、高山の大型投手を揃える秋田商が2番手で当選した。福岡は
補欠校へ回った。

関東・東京
関東


     桐生(群2)─┐1(8) 
            ┣━┓
    上尾(埼1)━┛8┃13(10)
              ┣━┐
  宇都宮学園(栃2)━┓5│12│
            ┣━┘ │
    甲府一(山1)─┘4(10)│3
                ┣━┐
    横浜商(神2)─┐5  ┃6│
            ┣━┓ ┃ │
 八千代松陰(千1)━┛7┃1┃ │
              ┣━┛ │
    足利工(栃3)─┐0│0  │
            ┣━┘   │
    水戸商(茨2)━┛3再   │1
                  ┣━ 
    君津商(千2)━┓2    ┃3
            ┣━┐   ┃
  東海大相模(神1)─┘1│0  ┃
              ┣━┐ ┃
   熊谷商(埼2)━┓7┃2│ ┃
            ┣━┛ │ ┃
  江戸川学園(茨1)─┘5  │2┃
                ┣━┛
    甲府商(山2)─┐4  ┃6(10)
            ┣━┓ ┃
  東農大二(群1)━┛5┃6┃
              ┣━┛
  国学院栃木(栃1)───┘1

再 1試合目は10回2−2引き分け
関東・東京は群雄割拠の激戦で上位校が次々入れ替わる中、レベルは変わっていない
と判断され前年と同じ5校の出場枠を確保した。最初に関東大会優勝の東農大二と東京
大会優勝の二松学舎大付の2校が選抜行きを決めた。東農大二は関東NO.1左腕の
高仁と強打の捕手・清水の屈指のバッテリーを擁する東日本期待のチーム。二松学舎大
付は攻守のまとまりの良さで地区大会優勝を果たした。また34盗塁を記録した韋駄天の
佐藤も注目される。3校目には開校・創部2年目で関東大会準優勝、彗星のごとく現れた
新鋭の八千代松陰が当選した。4校目は東京大会準優勝の成績をおさめた1年生の有望
投手・伊東がいる帝京が当選。最後の5校目を選ぶのに議論が白熱した。関東4強の上尾
、東京4強の早稲田実が残り2校の争いとなった。投手力では早実が上との意見が出たが、
攻撃力で上回るとされたのと、地域性も加味されたことで上尾が最後の座を獲得した。
補欠校は関東が熊谷商、東京が早稲田実になった。
東京


       日体荏原━┓3
            ┣━┐
         農林─┘2│0(7) 
              ┣━┓
    二松学舎大付━┓3┃8┃
            ┣━┛ ┃
        東大和─┘2(10)┃6
                ┣━┓
         明星─┐3  │1┃
            ┣━┓ │ ┃
        八王子━┛8┃9│ ┃
              ┣━┘ ┃
        国士舘─┐0│0(8) ┃
            ┣━┘   ┃
         豊南━┛7(8)   ┃2
                  ┣━ 
         錦城─┐1      │1
            ┣━┐   │
     国学院久我山━┛5│0  │
              ┣━┐ │
      早稲田実━┓8┃3│ │
            ┣━┛ │ │
         立川─┘0(8) │1│
                ┣━┘
        帝京━┓8(7) ┃2
            ┣━┓ ┃
        日大二─┘1┃5┃
              ┣━┛
         桐朋─┐0│0
            ┣━┘
        桜美林━┛7(7) 
     

北信越


    星稜(石1)━━━┓8(7) 
              ┣━┐
   北佐久農(長2)───┘1│
                │0(7) 
   富山第一(富2)─┐1(7) ┣━┓
            ┣━┓ ┃7┃
  東海大三(長3)━┛12┃2┃ ┃
              ┣━┛ ┃
  糸魚川商工(新1)───┘0  ┃12
                  ┣━ 
     石動(富1)───┐0  │2
              ┣━┓ │
     金沢(石3)━━━┛2┃ │
                ┃7│
    七尾工(石2)━┓11  ┣━┘
            ┣━┓ │5
     中越(新2)─┘6┃5│
              ┣━┘
   松商学園(長1)───┘2
北信越大会は上位進出が見込まれていた福井商、福井の2校が揃って不祥事で出場
辞退したため、福井からの出場校はなく、推薦校もなし。これが影響して北信越の出場
枠は前年−1の1校になった。小柄な選手が多いながらも北信越大会で優勝した東海大
三は神宮大会でも優勝しており、他校を寄せ付けず独走で当選した。東海大三は東海大
系列の学校の中で唯一縦縞を着ないチームで、銀行マン出身の山崎校長兼監督と元百貨
店員の太田部長が指揮を取るなどユニークなチームカラーを持つ。補欠校は金沢と星稜
の比較となり、チームデータで上回った星稜に決まった。

中部


    海星(三1)─┐7
            ┣━┓
  富士宮北(静2)━┛12┃6
              ┣━┓
   中京商(岐1)━┓7│1┃
            ┣━┘ ┃
     享栄(愛2)─┘0(8) ┃9
                ┣━ 
    静岡(静1)━┓8  │8
            ┣━┓ │
     長良(岐2)─┘3┃9│
              ┣━┘
    東邦(愛1)━┓15│3
            ┣━┘
     松阪(三2)─┘6(7) 
中部の出場枠は3校。候補を中部大会4強の富士宮北、中京商、静岡、東邦の4校に絞った
後、決勝を争った富士宮北、静岡の静岡勢2校が「落とす理由がない」として揃って当選
した。優勝の富士宮北は先発メンバー8人が3割打者という切れ目ない打線を持つ。準優勝
の静岡は7試合完封の実績がある下手投げの大砂、5割近いアベレージを残した鈴木康の
バッテリーが健在。最後の1校は初戦で14盗塁を決めた東邦か好投手・馬場のいる中京商か。
細かいチームデータ比較が行われた結果、勝率、打率、守備率、盗塁、長打率など多くの
部門で上回った東邦が最後の出場権を射止めた。補欠1位は中京商、2位は海星となった。

近畿


   瀬田工(滋1)━━━┓4
              ┣━┐
    滝川(兵3)━┓5│2│
            ┣━┘ │
   報徳学園(兵2)─┘4  │1
                ┣━┐
    京都西(京2)─┐4  ┃5│
            ┣━┐ ┃ │
    上宮(大1)━┛6│3┃ │
              ┣━┛ │
    新宮(和1)━┓10┃6  │
            ┣━┛   │
    高田商(奈2)─┘3(7)   │0
                  ┣━ 
    桜宮(大2)─┐2    ┃5
            ┣━┓   ┃
    北陽(大3)━┛3┃6(10)┃
              ┣━┓ ┃
    長浜北(滋2)─┐1│5┃ ┃
            ┣━┘ ┃ ┃
    平安(京1)━┛5  ┃6┃
                ┣━┛
   智弁学園(奈1)─┐4  │1
            ┣━┐ │
    箕島(和2)━┛7│2│
              ┣━┘
   尼崎北(兵1)━━━┛5
過去3年春夏甲子園で5度の優勝を果たすなど黄金時代を形成してきた近畿勢だが、今
回はずば抜けたチームはない。とはいえ全体的なレベルは相変わらず高いと判断され、
出場枠は例年通りの7校を確保した。府3位ながらもソツのない攻撃と驚異的な粘りで
近畿大会を制した北陽がまず当選した。続いて打倒・箕島が実を結び近畿大会準優勝の
成績をおさめた新宮が当選した。田中―安永の大型バッテリーを擁する尼崎北も順当に
当選を決めた。後続の学校選出するにあたり、さらに細かい戦力分析が行われること
になった。大阪1位予選通過の上宮が、激戦区でもまれた力を買われて4校目で当選。
5校目にはドカベン型捕手の荒竹がいる平安が北陽と熱戦を演じたことで浮上した。
6校目には4強ながら少し遅れを取ったが、技巧派投手の布施がいる瀬田工が地域性
も加味されて当選した。最後の7校目は滝川と箕島の比較となり、結果、ハイレベルの
四国勢との対戦成績で分が良い滝川が競り勝った。補欠校は1位が箕島、2位が桜宮
となった。

中国


 岡山理大付(岡1)━━━┓6
              ┣━┐
     三次(広2)━┓4│5│
            ┣━┘ │1
   山口鴻城(山2)─┘1  ┣━┐
                ┃7│
   鳥取商(鳥1)───┐6┃ │
              ┣━┛ │
   松江商(島1)━━━┛8(8) │0
                  ┣━ 
     関西(岡2)───┐1  ┃4
              ┣━┓ ┃
    広陵(広1)━━━┛4┃5┃
                ┣━┛
   岩国商(山1)───┐0│2
              ┣━┘
   倉吉北(鳥2)━┓6┃2再(18)
            ┣━┛
     邇摩(島2)─┘1

再 1試合目は9回4−4引き分け
中国では山陰勢の台頭が顕著で、これに刺激を受け山陽勢も活躍したことで全体の評価
が上がり、出場枠は前年から1校増の4校となった。中国大会出場の10校に選考対象
を絞ったのち、優勝した広陵が文句なしに当選した。渡辺―原バッテリーを軸にチーム
力は全国上位クラスと判断された。続いて準優勝の松江商も手堅く当選した。好投手の
若林は打ってもチームの中心選手。3校目には、チームデータはあまり良くなかったが、
2試合を戦ったその試合内容を買われて岡山理大付が当選した。最後の4校目には倉吉北
が2日間で27イニング(岩国商戦)を好投した鉄腕の坂本の存在と広陵戦での善戦を評価
されて当選した。激闘の末、未勝利に終わった岩国商は補欠校1位となり2位は鳥取商に
なった。

四国


    志度商(香2)─┐0
            ┣━┐
   松山商(愛1)━┛2│1
              ┣━┓
    鳴門工(徳2)─┐2┃11┃
            ┣━┛ ┃
   高知商(高1)━┛7  ┃6
                ┣━ 
     中村(高2)─┐0  │4
            ┣━┓ │
   丸亀商(香1)━┛5┃5│
              ┣━┘ 
    今治西(愛2)─┐5│4(10)
            ┣━┘
    鳴門(徳1)━┛10

明徳(地区大会不出場)
四国の出場枠は3校。推薦された12校から候補を四国大会で1勝した松山商、高知商、
丸亀商、鳴門の4校に大会不出場ながら実力を認められた明徳を加えた5校に絞った。優勝
の高知商がまず一番乗りで選抜切符を手にした。投打の要、中西ら甲子園経験者がチーム
を牽引し、投攻守に抜群の力を持つとして全国でも優勝候補の一角にあげられる。その高知商
に決勝で惜しくも敗れた丸亀商も問題なく当選。左腕・高橋を投打の中心に粘り強さが身上
のチームだ。最後の1校はすんなりとは決まらず、対戦成績など細かいところまで比較する
ことになった。その結果、左右ジグザグ打線を持つ鳴門が神宮大会準優勝の好成績も後押し
して当選した。補欠校は1位が松山商、2位が明徳。

九州


    佐賀商(佐1)───┐4
              ┣━┐
    宜野座(沖1)─┐6┃5│
            ┣━┛ │
    宇土(熊2)━┛10  │4
                ┣━┐
   八幡大付(福北1)━┓8  ┃9│
            ┣━┐ ┃ │
   東海大二(熊3)─┘4│1┃ │
              ┣━┛ │
 鹿児島商工(鹿1)━━━┛2(12)│1
                  ┣━ 
     高田(大1)───┐2  ┃8
              ┣━┐ ┃
    諫早(長1)━┓8┃4│ ┃
            ┣━┛ │0┃
   延岡学園(宮1)─┘7  ┣━┛
                ┃5
   柳川商(福南1)━━━┓1┃
              ┣━┛
  九州学院(熊1)───┘0(10) 
九州8県からは22校が推薦され、ここから出場枠4校を選ぶ。候補を九州大会ベスト
4進出の柳川(柳川商から校名変更)、鹿児島商工、諫早、宇土に九州学院を加えた
5校に絞った。最初に当選したのは優勝した柳川。全国でも有数の戦力といわれるチー
ムで、大型右腕の中島を中心に投打にレベルが高く、しぶとさも兼ね揃え隙がない。
続いて準優勝の鹿児島商工がすんなり当選した。決勝での大敗は減点だが、総合的な
まとまりの良さを評価された。次に九州学院と宇土の熊本勢の比較となり、県決勝での
対決で10-0と圧勝した九州学院のほうが実力は上と判断され、神宮大会でも健闘した
九州学院が3校目で当選した。最後の4校目は諫早と宇土の比較となった。その結果、
各部門での比較と地域性により諫早が当選した。宇土は大会2勝をあげたが当選ならず
補欠校へ回った。