高校野球 年度別 選抜選考経過 1978年(昭53年)第50回大会

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各地区 前年1977年(昭52年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、不・・不戦勝・不戦敗、備考・・
北海道・東北
北海道


         北照───┐4
              ┣━┐
       北海道工─┐4┃7│
            ┣━┛ │
         士別━┛7  │0
                ┣━┓
        釧路工─┐6(13)┃4┃
            ┣━┓ ┃ ┃
      東海大四━┛7┃11┃ ┃
              ┣━┛ ┃
      北海道日大─┐1│0(7) ┃
            ┣━┘   ┃
        帯広北━┛2    ┃16
                  ┣━ 
        旭川実───┐   │5
              ┣━┓ │
       美唄南━┓5┃不┃ │
            ┣━┛ ┃ │
        砂川北─┘2  ┃6│
                ┣━┘
       札幌開成━┓12(7) │1
            ┣━┓ │
       北見北斗─┘1┃2│
              ┣━┘
       函館中部───┘1

不 美唄南の不戦勝
北海道・東北に割り当てられた出場枠は3校。まずは両地区から1校ずつを当選させ、
3校目は両地区を比較審議して決めることになった。北海道・・北海道大会上位進出の
東海大四、美唄南、士別に候補を絞り、ここから地区大会4試合で38得点、4割近い打
率を残し優勝、投打の中心・田中を擁する東海大四がずば抜けた力を持つとして当選
した。東北・・レベルが高く好チームが目を引くという評判の中、候補を東北、弘前実
、黒沢尻工、日大山形の4校に絞り、東北大会で優勝、更に神宮大会でも優勝した東北
が高い総合力を誇るとして当選した。最後の1校は両地区の実力比較で上回った東北
地区から選ぶことになった。弘前実、黒沢尻工、日大山形の候補の中から大会未勝利の
日大山形が脱落し、残った2校の戦績比較でわずかに勝った左右の好投手がいる黒沢
尻工が当選した。美唄南、弘前実はともに決勝での大敗が響いて補欠校へ回った。
東北


    盛岡工(岩3)─┐1
            ┣━┐
    勿来工(福1)━┛2│3
              ┣━┐
    盛岡一(岩2)─┐2┃5│
            ┣━┛ │
   弘前実(青1)━┛3  │1
                ┣━ 
  黒沢尻工(岩1)━┓5  ┃16
            ┣━┐ ┃
     本荘(秋1)─┘2│0┃
              ┣━┛
    東北(宮1)━┓5┃1
            ┣━┛
   日大山形(山1)─┘4

関東


   宇都宮商(栃2)━┓5
            ┣━┐
    取手二(茨1)─┘3│2(10) 
              ┣━┐
     富岡(群3)─┐1┃3│
            ┣━┛ │
   川口工(埼1)━┛3  │1
                ┣━┐
  東海大甲府(山2)─┐0  ┃7│
            ┣━┐ ┃ │
  東海大相模(神1)━┛6│2┃ │
              ┣━┛ │
    前橋(群2)━┓11┃6  │
            ┣━┛   │
   千葉敬愛(千2)─┘0(6)   │0
                  ┣━ 
     上尾(埼2)─┐8(13)  ┃3
            ┣━┐   ┃
   作新学院(栃1)━┛9│0  ┃
              ┣━┓ ┃
    取手一(茨2)─┐1┃3┃ ┃
            ┣━┛ ┃ ┃
    印旛(千1)━┛6  ┃2┃
                ┣━┛
     武相(神2)─┐1  │1(14)
            ┣━┐ │
    塩山商(山1)━┛2│0│
              ┣━┘
    桐生(群1)━━━┛14(5) 
関東・東京に設けられた5校の出場枠をまず関東3・東京2に振り分け、両地区別個に
選考を行うことになった。勢力図新旧の交代が見られる関東では出場枠3校をめぐって
候補を地区大会4強の印旛、桐生、前橋、川口工の4校に絞った。ここから関東大会を
制した印旛が一番手で選ばれた。人口2万人弱の印西町から「でっかい新星」が登場、
エースの菊池は39試合で233奪三振を記録するなど江川以来の逸材と注目される。2校目
には準決勝で印旛に延長の末敗れた桐生が浮上した。速球派左腕・木暮と強打者・阿久
沢を中心とする攻撃力は全国Aクラスの評価。名将・稲川東一郎監督の死後、低迷して
いたチームが11年ぶりに復活を果たした。最後の枠を前橋と川口工で競う。関東大会
での直接対決の勝利と好投手・松本をはじめきびきびした動きが決め手となって前橋が
地域性の壁を跳ね除け3校目で当選を果たした。川口工は補欠校へ回った。

東京


         創価━┓4
            ┣━┐
        東京実─┘1│1(6) 
              ┣━┐
         桐朋─┐1┃11│
            ┣━┛ │
    国学院久我山━┛10(7) │1
                ┣━┓
        日大二─┐1  ┃3┃
            ┣━┓ ┃ ┃
      早稲田実━┛7┃11┃ ┃
              ┣━┛ ┃
         明治─┐0│0(7) ┃
            ┣━┘   ┃
        桜美林━┛2    ┃3
                  ┣━ 
        日大一─┐3      │2
            ┣━┓   │
        帝京━┛6┃3(10)│
              ┣━┓ │
        東大和━┓5│2┃ │
            ┣━┘ ┃ │
       日体荏原─┘1  ┃3│
                ┣━┘
         修徳━┓4  │2
            ┣━┐ │
     東京電機大高─┘0│2│
              ┣━┘
        攻玉社─┐6┃5
            ┣━┛
        日大三━┛9
東京の出場枠2校を推薦された東京大会4強の早稲田実、帝京、国学院久我山、日大三
の中から選ぶ。この中から日大三は投手力に不安を持つとして除外され、国学院久我山
は準決勝で左腕・浜崎が早稲田実を8回無安打2失点に抑える好投を見せたが、打力が弱い
として外された。東京大会優勝の早稲田実が一番手で当選。左腕の山岡をはじめ左打者
6人を揃える打線と攻守のバランスの良さが認められた。続いて東京随一といわれる
安定感を持つ投手・藤井を中心に準優勝の実績を残した帝京が当選した。国学院久我山
は補欠校へ。

北信越


   福井商(福1)━━━┓9
              ┣━┓
    新潟工(新3)─┐0│2┃
            ┣━┘ ┃
    岩村田(長1)━┛3  ┃5
                ┣━┓
     滑川(富2)━┓3  │4┃
            ┣━┐ │ ┃
     新潟(新2)─┘2│3│ ┃
              ┣━┘ ┃
     星稜(石1)━━━┛6  ┃3
                  ┣━ 
    長岡商(新1)━━━┓12(7) │0
              ┣━┐ │
    七尾工(石2)━┓4│3│ │
            ┣━┘ │ │
    長野工(長2)─┘0  │2│
                ┣━┘
    中越(新3)━┓3  ┃3
            ┣━┓ ┃
     三国(福2)─┘1┃1┃
              ┣━┛
   高岡第一(富1)───┘0(10) 
中部・北信越の出場枠は4校。割り当ては中部3・北信越1。北信越は全体的な戦力で高い
評価を得ることができなかったため、2校枠を獲得するには至らなかった。北信越大会を
安定した力で制した福井商が投攻守に抜きん出ているとして文句なしの当選を果たした。
右の本格派・三本聡がいる中越は準優勝の実績を買われて補欠校へ。攻撃力がある星稜も
魅力あるチームとされたが、今回は優勝校が当選、準優勝校が補欠という全く無風のまま
選考が終わった。

中部


    岐阜(岐1)━┓3
            ┣━┐
   四日市工(三2)─┘2│4
              ┣━┓
    中京(愛1)━┓4┃6┃
            ┣━┛ ┃
  東海大工(静2)─┘3  ┃6
                ┣━ 
   浜松商(静1)━┓6  │1
            ┣━┓ │
    大垣商(岐2)─┘3┃5│
              ┣━┘
     相可(三1)─┐1│3
            ┣━┘
    刈谷(愛2)━┛2(10) 

※ 不祥事により推薦辞退
中部の出場枠は3校。中部大会を制した中京が不祥事で推薦辞退したため選考から外れ
、浜松商、岐阜、刈谷の残りの4強組と四日市工、東海大工の計5校が候補に残った。
まず文句なしで当選したのは中部大会準優勝の浜松商。チームは小粒ながらもバント、
走塁に優れていると高い評価を得た。次に準決勝で中京に惜しくも敗れた岐阜が、基本
に忠実なのとファイト溢れるプレーを買われてこちらもすんなり当選を決めた。3校目
は刈谷と東海大工の比較になったが両校決め手を欠き難航した。結局は地域性のバラ
ンスにより刈谷が3校目の出場権を獲得した。東海大工は補欠校へ。

近畿


    箕島(和1)───┐2
              ┣━┐
    彦根東(滋2)─┐1┃4│
            ┣━┛ │
  PL学園(大1)━┛5  │6
                ┣━┐
    天理(奈2)━┓3  ┃8│
            ┣━┐ ┃ │
     平安(京1)─┘1│0┃ │
              ┣━┛ │
    浪商(大2)━┓6┃2  │
            ┣━┛   │
     大鉄(大3)─┘4    │2
                  ┣━ 
    飾磨工(兵3)─┐2(13)  ┃4
            ┣━┓   ┃
   村野工(兵2)━┛3┃2  ┃
              ┣━┓ ┃
     花園(京2)─┐3│0┃ ┃
            ┣━┘ ┃ ┃
   比叡山(滋1)━┛5  ┃2┃
                ┣━┛
   市神港(兵1)─┐3  │1
            ┣━┐ │
    吉備(和2)━┛4│2│
              ┣━┘
    郡山(奈1)━━━┛4
前年は春夏甲子園優勝校を輩出、都市対抗は神戸製鋼、プロ野球は阪急が優勝するなど
まさに「我が世の春を謳歌」している近畿地区。出場枠は前年に続き7校を確保した。
推薦された18校からまず近畿大会準優勝の浪商と4強のPL学園の大阪勢が当選した。
浪商は捕手・香川をはじめ強打者を揃え破壊力のある打線を持つ。PL学園は左腕の好
投手・西田や捕手の木戸など優れた素質を持つ選手が多く、地力では近畿で一番と評価
する声もある。近畿大会で優勝した村野工は2校に比べ総合力で劣るという声が出たが、
上投げ、下投げありの技巧派・千田を中心に地区大会で優勝した実績はやはり立派という
ことで当選。続いて4強進出を果たした大型下手投げ投手の池上がいる郡山が堅い守備も
評価されて当選した。残りの3校の枠をめぐって1勝した天理、吉備、比叡山に加え初戦
敗退の箕島、市神港の計5校で争うことになった。京滋地区からまだ当選が出ていないと
いうことで地域性によりまずは比叡山が抜け出した。次にPL学園と互角の勝負を演じた
前年選抜優勝校の箕島が当選した。最後の7校目の座を吉備と天理で比較検討することに
なり、その結果、地区大会での実績で評価が上回った吉備が品位の面でも問題なしとして
当選した。補欠校は1位が天理、2位が市神港になった。

中国


   岡山南(岡1)───┐0
              ┣━┐
    崇徳(広1)━┓6┃4│
            ┣━┛ │0
    倉吉産(鳥2)─┘1  ┣━┐
                ┃3│
   南陽工(山1)━━━┓2┃ │
              ┣━┛ │
    益田(島1)───┘0  │2
                  ┣━ 
    米子商(鳥1)───┐0  ┃3
              ┣━┐ ┃
    広陵(広2)━━━┛4│3┃
                ┣━┛
    柳井商(山2)───┐0┃7
              ┣━┛
    江津工(島2)─┐1┃7(7) 
            ┣━┛
  岡山東商(岡2)━┛8(8) 
中国の出場枠は4校で山陽3校、山陰1校の配分に決まった。山陽・・伝統の猛練習
で鍛え上げたソツのない野球で中国大会優勝を果たした岡山東商が文句なしの実績で
まず当選した。続いて初出場で準優勝した南陽工が当選した。これまで無名だった
チームを甲子園出場までのし上げた本格派右腕の津田は西日本一、二を争う好投手と
いわれる。3校目は崇徳と広陵の広島勢で争われた。一長一短で総合力もさほど変わ
らず難航した結果、県1位の実績がモノをいって崇徳が競り合いを制した。山陰・・
それぞれの県1位校である益田と米子商が候補に残り両校の比較になった。その結果
、投手力が安定し投打にまとまりがあるとして益田が当選した。補欠校は1位が岡山
南、2位が広陵になった。

四国


    日和佐(徳2)─┐0
            ┣━┓
   高松商(香1)━┛9┃4
              ┣━┓
   宇和島東(愛2)─┐3│2┃
            ┣━┘ ┃
    高知(高1)━┛11  ┃9
                ┣━ 
   観音寺商(香2)─┐0  │4
            ┣━┓ │
   南宇和(愛1)━┛2┃5│
              ┣━┘
     土佐(高2)─┐9│2
            ┣━┘
   徳島商(徳1)━┛10
四国の出場枠は3校。候補を四国大会出場の8校に絞り、ここから各チームの戦力検討
開始。優勝校の高松商が三拍子揃った好チームということで真っ先に選考の関門を潜り
抜けた。続いて準優勝の南宇和も当選。試合運びに粗さがあるという指摘もあったが、
チームを牽引する右の本格派・田中は注目の投手だ。3校目の枠は高知勢から選ぶこと
に決まり、(なぜ徳島商が外れたか経緯は不明。毎日新聞には地域性を考慮してとある
が徳島からは1校も当選していない)高知と土佐の比較となった。結果、直接対決で2
勝した左のサイドスロー・石崎のいる高知が当選した。補欠校は徳島商。

九州


    小倉(福北1)───┐2(10)
              ┣━┓
   豊見城(沖1)━┓9┃5┃
            ┣━┛ ┃
     小浜(長3)─┘0(7) ┃7
                ┣━┓
    延岡工(宮1)━┓2  │2┃
            ┣━┐ │ ┃
    佐賀西(佐1)─┘1│2│ ┃
              ┣━┘ ┃
  佐世保工(長1)━━━┛8  ┃4
                  ┣━ 
   柳川商(福南1)━━━┓9(7) │0
              ┣━┐ │
    大分商(大1)─┐5│2│ │
            ┣━┘ │4│
   長崎日大(長2)━┛6(12)┣━┘
                ┃7
  鹿児島商(鹿1)━━━┓3┃
              ┣━┛
   九州学院(熊1)───┘0
九州8県の大世帯から推薦されたのは23校。ここから出場枠4校を選ぶ。選考は上位
校の実力比較から開始された。最初に当選したのは九州大会で優勝した豊見城。実績
はもちろん、打線は4番・石嶺を軸に強打者が名を連ね全国的に見てもトップクラス
を誇ると評価された。続いて準優勝の鹿児島商が投打にバランスが取れているとして
当選した。3校目には準決勝で鹿児島商に逆転負けを喫したが、上位打線が力強いと
して柳川商が当選した。最後の4校目を4強の佐世保工と、優勝した豊見城を最も苦
しめた小倉の比較となった。新チーム結成後の勝率で上回った小倉が総合力でも上回る
とされ、佐世保工に競り勝ち最後の枠に滑り込んだ。佐世保工は補欠校へ。