高校野球 年度別 選抜選考経過 1977年(昭52年)第49回大会

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各地区 前年1976年(昭51年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、不・・不戦勝・不戦敗、備考・・
北海道・東北
北海道


      東海大四━━━┓5
              ┣━┓
         芦別━┓9│0┃
            ┣━┘ ┃
        夕張工─┘3  ┃5
                ┣━┐
         芽室─┐0  │4│
            ┣━┓ │ │
         岩内━┛1┃4│ │
              ┣━┘ │
        旭川南─┐1│1  │
            ┣━┘   │
       札幌光星━┛8    │2
                  ┣━ 
       北見北斗───┐1(8) ┃7
              ┣━┐ ┃
       函館中部─┐2┃8│ ┃
            ┣━┛ │ ┃
       釧路江南━┛7  │5┃
                ┣━┛
     北海道日大━┓3  ┃6
            ┣━┓ ┃
         士別─┘2┃7┃
              ┣━┛
         北海───┘2
北海道・東北に割り当てられた出場枠は前年−1の3校。一地区に出場校が偏らない
ように、まずは両地区から1校ずつ選ぶことになった。北海道・・北海道大会で優勝
した北海道日大がすんなり当選した。秋季大会に続き神宮大会でも健闘しており、戦力
は全国的な水準と認められた。続いて準優勝の東海大四が北海道日大に次ぐ戦力として
候補に残った。東北・・投手力の優れた接戦が多かった東北大会で優勝、有望投手の
佐々木を擁する東北が文句なしの当選。2番手には酒田東、能代、福島商、盛岡工、
弘前実など候補にあがり、準優勝の酒田東が最終選考に残った。最後の枠をかけて東北
・酒田東と北海道・東海大四で争う。打力なら東海大四、投手力では酒田東。結果、
失点の少なさと勝率の高さで上回った酒田東が3校目におさまった。酒田東は大火に
遭った酒田市でひたむきな努力を重ねたこと、県立進学校という校風もあわせて評価
された。補欠校は北海道が東海大四、東北が盛岡工。
東北


    東北(宮1)━┓2
            ┣━┓
     能代(秋1)─┘1┃3
              ┣━┓
   盛岡工(岩1)━┓13│0┃
            ┣━┘ ┃
   学法石川(福1)─┘2  ┃1
                ┣━ 
    弘前実(青1)━┓3  │0
            ┣━┐ │
     会津(福2)─┘1│2│
              ┣━┘
   酒田東(山1)━┓1┃4
            ┣━┛
    福島商(福3)─┘0

関東


     前橋(群1)─┐1
            ┣━┐
 東海大相模(神1)━┛6│7
              ┣━┐
     吉田(山2)─┐3┃8│
            ┣━┛ │
   銚子商(千1)━┛9  │5
                ┣━ 
   春日部工(埼1)─┐0  ┃6
            ┣━┐ ┃
  土浦日大(茨1)━┛4│2┃
              ┣━┛
     日川(山1)─┐1┃3
            ┣━┛
  作新学院(栃1)━┛4
関東・東京の出場枠は5校。関東から3校、東京から2校という割り振りになった。
「投手王国」関東では例年と比べて傑出した投手はいないが、レベル自体は相変わらず
高いという評価。特に関東大会ベスト4の4校はいずれもキャリア豊富で打線はA級
クラス。その大会を制した作新学院が攻守のまとまり、試合運びの巧さを評価されて
当選した。続いてベスト4の土浦日大が当選。打率、勝率の高さに加え主戦投手・入江
の安定した投球も買われた。3校目は準優勝の銚子商とベスト4の東海大相模の間で
比較検討することになった。その結果、直接対決で勝っている銚子商が投手力でも
わずかに上、ということで最後の枠に滑り込んだ。惜しくも選から漏れた東海大相模
は補欠校へ。

東京


         城西─┐2
            ┣━┓
        関東一━┛3┃7
              ┣━┐
         堀越━┓16│4│
            ┣━┘ │
        東大和─┘12  │1
                ┣━┓
       日体荏原─┐1  ┃4┃
            ┣━┐ ┃ ┃
        法政一━┛3│3┃ ┃
              ┣━┛ ┃
      早稲田実━┓7┃11(8) ┃
            ┣━┛   ┃
        国士舘─┘0(7)   ┃3
                  ┣━ 
        早稲田━┓7(7)     │1
            ┣━┐   │
        東京実─┘0│0  │
              ┣━┐ │
       佼成学園─┐1┃1│ │
            ┣━┛ │ │
        明治━┛7  │2│
                ┣━┘
         豊南─┐0(7) ┃3(11)
            ┣━┐ ┃
        日大三━┛7│5┃
              ┣━┛
       桜美林━┓18┃6
            ┣━┛
         四商─┘0(4)
東京大会優勝、さらに神宮大会でも優勝、隙のない洗練された野球で名門の貫禄を
見せた早稲田実が順当に当選した。また早稲田実が神宮大会を制したことにより東京
地区のレベルの高さをアピールすることに成功。出場枠は前年比+1の2校になった。
2校目の候補には準優勝の桜美林とベスト4の明治があがった。昨夏優勝メンバーが
4人残ってチームの骨格がしっかりしている桜美林が、気合の入った試合運びも同時
に評価されて当選した。補欠校は明治。

北信越


   丸子実(長1)━━━┓9(7)
              ┣━┓
     金沢(石2)━┓6│2┃
            ┣━┘ ┃
     氷見(富2)─┘0  ┃4
                ┣━┐
     福井(福2)━┓7  │1│
            ┣━┓ │ │
    岡谷南(長3)─┘0┃4│ │
              ┣━┘ │
    長岡商(新1)───┘2  │0
                  ┣━ 
    星稜(石1)━━━┓18(7) ┃2
              ┣━┓ ┃
    信州工(長3)─┐2│0┃ ┃
            ┣━┘ ┃ ┃
     長岡(新2)━┛4  ┃5┃
                ┣━┛
   富山第一(富1)─┐1  │4(10)
            ┣━┐ │
     松代(長2)━┛2│1│
              ┣━┘
    美方(福1)━━━┛4
中部・北信越の出場枠は5校。北信越は近年力をつけてきており、中部との地域差を
縮めたということで、前年に続き2校の枠を確保した。真っ先に異論なしで当選したの
が北信越大会を制した星稜。剛球投手・小松を擁し、また昨夏甲子園4強メンバー5人
を残すチーム力は全国でも上位と認められた。石川からの選抜は実に11年ぶりとなる。
2校目の候補にあがったのは準優勝の丸子実、ベスト4の美方、福井の計3校。準優勝
の実績と強肩強打の桃井を始め打力に優れる丸子実が推されて2番目に当選した。
補欠校は美方。

中部


     海星(三1)─┐5
            ┣━┐
  岐阜西工(岐2)━┛6│9(10)
              ┣━┐
   清水東(静1)━┓10┃10│
            ┣━┛ │
     東邦(愛2)─┘7  │6
                ┣━ 
  県岐阜商(岐1)━┓5  ┃9
            ┣━┐ ┃
   修善寺工(静2)─┘0│1┃
              ┣━┛
 名古屋電気(愛1)━┓7┃2
            ┣━┛
     三重(三2)─┘3
中部の出場枠3のうち、まず最初に当選したのが中部大会で優勝した名古屋電気。
大型チームで特に打線の強さが際立つ。また秋21戦全勝の勝負強さも光る。2
番手を清水東と県岐阜商で比較することになった。主戦投手・宮本がヒジの故障
に悩まされながらも準優勝の成績をおさめた清水東が2番手で選ばれ、東海随一の
安定した投手力と評価された下手投げ・関谷がいる県岐阜商が3番手で選ばれた。
補欠校は岐阜西工。

近畿


    東山(京1)───┐6
              ┣━┐
    伊香(滋2)─┐2┃7│
            ┣━┛ │
    箕島(和1)━┛3(10)│0
                ┣━┓
    天理(奈2)━┓7(7) ┃4┃
            ┣━┓ ┃ ┃
     浪商(大2)─┘0┃4┃ ┃
              ┣━┛ ┃
    育英(兵1)───┘2  ┃3
                  ┣━ 
  智弁学園(奈1)━━━┓6  │1
              ┣━┐ │
    比叡山(滋1)─┐0│0│ │
            ┣━┘ │ │
 県和歌山商(和2)━┛9(7) │2│
                ┣━┘
    滝川(兵2)━┓4  ┃4
            ┣━┓ ┃
     宇治(京2)─┘2┃6┃
              ┣━┛
    大鉄(大1)───┘3
近畿の出場枠は基本数6+1の7校になった。近畿大会優勝の天理が安定した実績と
強力な打線、さらに福家と山村の投手力が評価されて1番手で当選した。準優勝の滝川
も投打に充実しており異議なく当選。続いてベスト4に選考を広げる。まずは本格派
右腕の山口を擁する智弁学園が当選し、続いて投手力に多少難ありとされるも総合力
の高い箕島が当選した。4校まではすんなり決定したが、ここからはさらに細かい部分
まで踏み込んだ厳しい選考になった。5校目に浮上したのは打力の良さと成長性を
買われた激戦区・大阪の大鉄。残り2つの枠を巡って伊香、東山、育英、県和歌山商
の対決となった。1試合平均奪三振10を超える速球派右腕の藤高がいる伊香が6校目
で当選(北近畿勢というのも考慮されたようだ)。藤高は速球主体で箕島を2安打に
封じるなど選抜でも期待が集まる。最後の7校目には優勝校の天理に善戦した育英が
選ばれた。補欠校は1位が県和歌山商、2位が東山になった。

中国


    出雲(島2)───┐2(13)
              ┣━┓
     八頭(鳥2)─┐0┃3┃
            ┣━┛ ┃6
   岡山南(岡1)━┛1  ┣━┓
                │3┃
   広島商(広1)━━━┓3│ ┃
              ┣━┘ ┃
    宇部工(山2)───┘0  ┃4
                  ┣━ 
     浜田(島1)───┐2  │2
              ┣━┓ │
   瀬戸内(広2)━━━┛5┃ │
                ┃2│
   米子東(鳥1)━┓2(13)┣━┘
            ┣━┓ │0
    下関商(山1)─┘1┃1│
              ┣━┘
    水島工(岡2)───┘0再

再 1試合目は日没引き分け(詳細不明)
中国は前年と比べ上位の顔ぶれが一新。崇徳のような群を抜く大型チームが不在という
こともあり出場枠は前年−1の3校となった。3校の出場枠を山陽2・山陰1に配分し、
まずは山陰から選考スタート。高い奪三振率を誇る左腕・野口の米子東が同じく候補に
あがった出雲に大差をつけ、まずは当選1番乗りを果たした。山陽からは中国大会優勝の
岡山南がまず浮上。安定した打力、投手力で満場一致の当選だ。2校目の候補にあがった
のは瀬戸内に広島商、さらに未勝利の下関商、水島工を加えた4校。その結果、きびきび
した試合運びで準優勝の成績をおさめた瀬戸内が当選した。戦力では中国一ともいわれた
広島商は惜しくも補欠校へ。一方の山陰からは出雲が補欠校になった。

四国


    中村(高1)━┓1
            ┣━┓
   高松工芸(香2)─┘0┃3
              ┣━┐
  新居浜商(愛1)━┓5│2│
            ┣━┘ │
    小松島(徳2)─┘2  │3
                ┣━ 
     鳴門(徳1)─┐5  ┃5
            ┣━┐ ┃
     安芸(高2)━┛6│0┃
              ┣━┛
   丸亀商(香1)━┓4┃11
            ┣━┛
   今治西(愛2)─┘2
四国も中国と同じような状況で、前年比戦力スケールダウンの評価から出場枠は前年
−1の3校になった。まずは四国大会の決勝を争った丸亀商と中村があっさりと選考
を突破した。丸亀商は投打に安定、戦力的に文句なしの高評価を得た。中村は190センチ
の大型右腕・山沖を擁し、また部員12人で池田「さわやか旋風」の再来の期待も
かかる。3校目には攻撃力の新居浜商と投手力の今治西の愛媛勢が争った。細かい分析
の結果、実績で上回った新居浜商が最後のイスにおさまった。補欠校は今治西。

九州


    海星(長1)━━━┓3
              ┣━┓
     宮古(沖3)━┓4│1┃
            ┣━┘ ┃
   佐伯鶴城(大1)─┘0  ┃8
                ┣━┐
    佐賀商(佐1)─┐1  │2│
            ┣━┐ │ │
   普天間(沖1)━┛3│3│ │
              ┣━┘ │
    戸畑(北福1)━━━┛6  │3
                  ┣━ 
   豊見城(沖2)━━━┓7  ┃4
              ┣━┐ ┃
   鹿児島商(鹿1)━┓3│2│ ┃(10)
            ┣━┘ │4┃
    都城商(宮1)─┘1  ┣━┛
                ┃5
   柳川商(南福1)───┐1┃
              ┣━┛
   熊本工(熊1)━━━┛2
九州は昨夏甲子園チームが顔を揃えた地区大会での内容の良さから前年比+1の4校
の出場枠を獲得した。近年沖縄勢の活躍が目覚しく県別の実力差がなくなったことで、
選考作業が難航するようになった。まずは候補を九州大会での成績から熊本工、海星、
豊見城、戸畑、柳川商、普天間の6校に絞った。そこから優勝の熊本工と準優勝の海星
が難なく当選。熊本工は経験豊富な左腕・林田を筆頭に戦力充実で全国Aランクの評価。
海星は前年エースの酒井のワンマンチームから脱却し、攻撃型チームへ変貌を遂げた。
3校目には九州一といわれる打力を持つ豊見城が当選。最後の枠をかけて残る3校のうち
まず普天間が圏外へ。戸畑と柳川商の比較となり、ベスト4の実績を残した戸畑が当選
した。柳川商は練習試合含めて3度熊本工に敗れたのが響いた。補欠校は1位が普天間、
2位が柳川商。