高校野球 年度別 選抜選考経過 1976年(昭51年)第48回大会

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各地区 前年1975年(昭50年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、不・・不戦勝・不戦敗、備考・・
北海道


     駒大岩見沢━━━┓9(10)
              ┣━┐
        旭川北━┓10│7│
            ┣━┘ │
         北海─┘2(8) │2
                ┣━┓
         美深─┐1  ┃8┃
            ┣━┓ ┃ ┃
       札幌商━┛2┃10┃ ┃
              ┣━┛ ┃
         雄武─┐0│3(7) ┃
            ┣━┘   ┃
       苫小牧工━┛1(12)  ┃4
                  ┣━ 
       釧路江南───┐5  │2
              ┣━┓ │
      函館有斗━┓8┃7┃ │
            ┣━┛ ┃ │
        帯広農─┘0(7) ┃11│
                ┣━┘
         北照━┓3(7) │1(7)
            ┣━┐ │
        歌志内─┘1│0│
              ┣━┘
        札幌北━━━┛3
寒冷地の技術水準は年々伸びており、また広い地域と加盟校の多さも同時に考慮されて
北海道・東北からは前年に続き4校選ばれることになった。両地区で仲良く2校ずつ分ける
ことになり、北海道の出場枠は2校。秋の北海道大会を2年連続で制した札幌商と準優勝の
函館有斗が投手力、攻撃力、守備力ともにすぐれていると認められてすんなり当選を
果たした。いずれも強打者を擁して攻撃面に自信をのぞかせる。駒大岩見沢は総合力
で一歩後れを取り補欠校へ。

東北


   弘前工(青1)━┓6
            ┣━┓
     本荘(秋2)─┘1┃5
              ┣━┐
     福岡(岩1)─┐1│1│
            ┣━┘ │
   秋田市立(秋3?)━┛8(7) │3
                ┣━ 
   秋田商(秋1)━┓9(7) ┃4
            ┣━┐ ┃
     東北(宮1)─┘0│4┃
              ┣━┛
  学法石川(福1)━┓4┃6
            ┣━┛
   日大山形(山1)─┘0
東北の出場枠2校をめぐって最終選考に残ったのは東北大会優勝の学法石川、準優勝
の弘前工、ベスト4の秋田商の3校。まずは学法石川が主戦左腕の鈴木伸の打たせて取る
安定した投球と攻守に力と持つことを評価されて当選。続いて投手力と三遊間をはじめ
とする守備力を評価された弘前工が2校目で当選した。秋田商は甲子園経験者を多数
揃え投打の実力では東北NO.1の戦力と見る人もいたが、惜しくも当選ならず
補欠校へ回った。

関東・東京
関東


    高崎商(群1)─┐7
            ┣━┓
    小山(栃1)━┛10┃11
              ┣━┓
    横浜商(神1)─┐1│5┃
            ┣━┘ ┃
   春日部(埼1)━┛2  ┃4
                ┣━ 
     吉田(山1)─┐2  │1
            ┣━┓ │
   習志野(千1)━┛6┃2│
              ┣━┘
     横浜(神2)─┐1│1
            ┣━┘
   鉾田一(茨1)━┛3
この数年、本格派の好投手を輩出し全国的に見ても屈指のレベルにある関東勢。今回は投手力も
さることながら、攻撃力の高いチームが目を引くとの評価だ。関東・東京の出場枠は4校。まず
は両地区から1校ずつ当選させることになった。関東では小山が関東大会優勝に加え29勝1分
の抜群の実績を残したことで文句なしの当選を果たした。東京からは地区大会優勝の修徳が上位
下位の打線の切れ目のなさと勝利への意欲の高さを買われて当選した。3校目には関東準優勝の
習志野が選ばれた。前年夏の甲子園優勝メンバーを軸にバランスのとれた戦力を持つチーム。4校
目の候補には関東からベスト4の春日部、鉾田一、東京からは本格派投手の吉沢がいる国学院久我山
があがった。3校の戦力分析の結果、関東・東京地区NO.1投手の呼び声高い左腕の戸田の存在が
決め手となって鉾田一が最後の枠にすべりこんだ。補欠校は関東が春日部、東京が国学院久我山。
東京


        駒大高━┓3
            ┣━┐
       佼成学園─┘2│3
              ┣━┐
        日大一━┓14┃7│
            ┣━┛ │
         明治─┘2  │2
                ┣━┓
        墨田工─┐0(8) ┃6┃
            ┣━┐ ┃ ┃
        桜美林━┛7│3┃ ┃
              ┣━┛ ┃
       日体荏原─┐4┃4  ┃
            ┣━┛   ┃ 
        修徳━┛15(5)   ┃16
                  ┣━ 
       世田谷工━┓6      │4
            ┣━┐   │
         目黒─┘2│0(8) │
              ┣━┓ │
        日大三━┓9┃7┃ │
            ┣━┛ ┃ │
        南多摩─┘0(7) ┃2│
                ┣━┘
        日大二━┓9  │1(8)
            ┣━┐ │
        大森工─┘6│1│
              ┣━┘
    国学院久我山━┓9┃3
            ┣━┛
        東大和─┘1(7)
     

北信越


    富山商(富3)─┐2
            ┣━┓
    福井(福1)━┛3┃4
              ┣━┓
     氷見(富3)─┐2│0┃
            ┣━┘ ┃
   七尾工(石1)━┛4  ┃8
                ┣━ 
   不二越工(富2)─┐3  │6
            ┣━┓ │
 糸魚川商工(新1)━┛8┃5│
              ┣━┘
    高岡商(富1)━┓5│2
            ┣━┘
     松代(長1)─┘3(12)
中部・北信越の出場枠は前年比+1の5校。これに伴い北信越の出場枠も増え3年ぶり
に2校になった。北信越大会の決勝を争った福井、糸魚川商工の2校が当選し、選考は
順当な結果になった。福井はスモールベースボールの注入で三拍子揃ったチームに仕上
がり、常連の福井商に代わって台頭してきた。糸魚川商工は福井と同じく旧チームメンバー
が多数残り看板の大型打線が魅力のチームで、従来の新潟勢にはなかった逞しいチームだ。
補欠校は七尾工。

中部


     中京(愛1)─┐4
            ┣━┐
  市岐阜商(岐2)━┛7│2(7)
              ┣━┐
     相可(三1)─┐4┃9│
            ┣━┛ │
  東海大一(静2)━┛12(7) │3
                ┣━ 
    静岡商(静1)─┐2  ┃5
            ┣━┓ ┃
   岡崎工(愛2)━┛8┃6┃
              ┣━┛
  県岐阜商(岐1)━┓13│4
            ┣━┘
     海星(三2)─┘3(5)
中部の出場枠は3校。期待の高かった中京、静岡商が初戦で消えて戦国模様となった
激戦の中部大会。優勝した岡崎工が優勝の実績としぶとい攻撃を評価されて、1番手で
当選した。続いて静岡NO.1投手といわれる右の本格派・太田を擁する準優勝の東海
大一が当選。3校目の候補には県岐阜商、市岐阜商、中京、静岡商の4校があがった。
その結果、投打に安定し、左腕投手を生かすのが巧く伝統にもなっている県岐阜商が最後
の枠におさまった。補欠校は市岐阜商。

近畿


   比叡山(滋1)───┐0
              ┣━┐
  和歌山工(和2)━┓7┃4│
            ┣━┛ │
    東宇治(京1)─┘6  │0
                ┣━┐
  智弁学園(奈2)━┓3  ┃6│
            ┣━┐ ┃ │
   村野工(兵2)─┘0│3┃ │
              ┣━┛ │
    北陽(大1)━━━┛6  │1
                  ┣━ 
 東洋大姫路(兵1)━━━┓6(10)┃5
              ┣━┓ ┃
    天理(奈1)━┓10│5┃ ┃
            ┣━┘ ┃ ┃
     大鉄(大2)─┘7  ┃10┃
                ┣━┛
    能登川(滋2)━┓2  │3(7)
            ┣━┐ │
    西京商(京2)─┘1│2│
              ┣━┘
    新宮(和1)━━━┛4
近畿はレベルの割りに出場枠が厚遇されているということで、出場枠は前年比−1の
6校になった。近畿大会決勝進出の東洋大姫路と北陽は全国でもAクラスの評価を得て
満場一致の当選を果たした。優勝した「播州の雄」東洋大姫路は総合力が高く、特に33
試合158盗塁の群を抜く機動力を持つ。準優勝の北陽は主戦投手の白石が安定し打撃も良い。
3番目には東洋大姫路と互角の勝負を演じた天理が選ばれた。破壊力のある打線は今年も
健在。次にベスト4で敗れた新宮と和歌山工の和歌山勢の比較となり、直接対決で2勝
している新宮が4番手で当選した。5番手に浮上したのは智弁学園。阪本、山口の左右の
投手二枚看板は近畿随一との声があがった。残る最後の枠にはベスト4の実績を買われた
和歌山工が入った。北近畿、特に京都からの出場なしは惜しまれるが、好チームがなかった
ため止むを得ず。補欠校は1位が比叡山、2位が村野工になった。

中国


    米子東(鳥1)───┐0
              ┣━┓
     出雲(島2)─┐0┃5┃
            ┣━┛ ┃3
  岡山東商(岡1)━┛5  ┣━┐
                │0│
   宇部工(山1)━━━┓8│ │
              ┣━┘ │
    広島工(広2)───┘1(7) │0
                  ┣━ 
    作陽(岡2)───┐0  ┃3
              ┣━┐ ┃
    大社(島1)━━━┛1│ ┃
                │2┃
    鳥取工(鳥2)─┐1(8) ┣━┛
            ┣━┐ ┃12
    柳井(山2)━┛8│0┃
              ┣━┛
    崇徳(広1)━━━┛7(8)
中国は各推薦校が高い水準を誇るとして、出場枠は前年比+1の4校を獲得した。最初
に候補を崇徳、岡山東商、作陽、宇部工、柳井、大社の6校に絞った。真っ先に当選
したのが中国大会優勝の崇徳。右腕の黒田をはじめスケールの大きな選手が多く完成度
Aクラスの称号を得た。23勝9敗の戦績は普通だが9月以降は1度も負けていない。
続いて高度なチーム力で崇徳と同じくAクラスと評された準優勝の岡山東商が当選した。
3校目には宇部工がパワフルな打線と27勝1敗の実績で当選。残った3校で最後の枠
を競う。その結果、地域性が決め手になって山陰代表として大社が当選した。補欠校は
1位が柳井、2位が作陽になった。

四国


  新居浜商(愛2)━┓3(10)
            ┣━┐
     高知(高1)─┘2│2
              ┣━┓
    池田(徳2)─┐3┃3┃
            ┣━┛ ┃
   高松商(香1)━┛4  ┃7
                ┣━ 
    丸亀商(香2)─┐4    │3
            ┣━┐ │
    新田(愛1)━┛5│2│
              ┣━┘
    土佐(高2)─┐4┃11
            ┣━┛
   徳島商(徳1)━┛5(12)
四国も中国と同様、各チームが高いレベルでひしめいており、また近年の全国での活躍
も考慮されて前年比+1の4校の出場枠を手にした。四国大会の決勝に進出した高松商
と徳島商が投打に安定しているとしてあっさりと当選を果たした。優勝の高松商は名将
・若宮監督が10年ぶりの復帰、投手を中心とした守りのチームだ。徳島商は明治神宮
大会優勝の実績もあり実力は四国一といわれる。続いて準決勝に残った愛媛勢の2校
(新居浜商、新田)の比較に入った。準決勝での試合内容の良さで新居浜商が新田を
振り切って当選。最後の4校目の枠には徳島商と互角の勝負を演じ、またサイクル男・
玉川など前年夏の主力が残る土佐がおさまった。補欠校は1位が池田、2位が新田。
「野球王国」に相応しく全国で最も選考の成り行きが注目されたようだ。

九州


  日田林工(大1)━━━┓8(7)
              ┣━┓
    佐賀東(佐3)━┓2│0┃
            ┣━┘ ┃
   宮崎日大(宮1)─┘0  ┃5
                ┣━┓
   東海大二(熊1)━┓1  │2┃
            ┣━┐ │ ┃
    佐賀商(佐1)─┘0│0│ ┃
              ┣━┘ ┃
    東筑(福北1)━━━┛3  ┃4
                  ┣━ 
    佐賀北(佐2)───┐3  │1
              ┣━┐ │
  鹿児島実(鹿1)━┓2┃9│ │
            ┣━┛ │1│
     海星(長1)─┘0  ┣━┘
                ┃2
    柳川商(福南1)───┐1┃
              ┣━┛
   豊見城(沖1)━━━┛2
九州は他地区の増枠のあおりを受けた形で出場枠は例年の4校から3校に減った。九州
大会決勝を争った日田林工と豊見城がまず当選した(当選の順番は不明)。優勝した
日田林工は総合力が高く、特に打力を評価された。準優勝の豊見城は昨年選抜で東海大
相模をきりきり舞させた速球派の赤嶺が健在。赤嶺のワンマンチームといわれるが、全国
でもトップクラスの投手として注目を浴びる。後続の鹿児島実、東筑、柳川商、海星は
いずれも好投手を擁する。最終的に鹿児島実と東筑の一騎打ちとなり、投手力の比較で
上回った鹿児島実が出場権を獲得した。補欠校は東筑。