高校野球 年度別 選抜選考経過 1973年(昭48年)第45回大会

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各地区 前年1972年(昭47年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、備考・・
北海道
支部予選
札幌北海
札幌商
小樽余市 旭川旭川竜谷
室蘭駒大苫小牧 函館函館有斗 南空知駒大岩見沢
北空知砂川北 名寄稚内 十勝帯広北
釧根釧路江南 北見留辺蘂

1回戦
札幌商 3−0 稚内
駒大苫小牧 5−0 釧路江南
旭川竜谷 9−2 余市
北海 3−1 帯広北
準々決勝
函館有斗 3−2 札幌商
駒大苫小牧 6−5 留辺蘂
旭川竜谷 3−2 駒大岩見沢
北海 9−0 砂川北
準決勝
函館有斗 1−0 駒大苫小牧
旭川竜谷 1−0 北海
決勝
函館有斗 6−0 旭川竜谷

東北
1位 2位
青森 弘前
岩手 高田
秋田 秋田商
山形 日大山形
宮城 東北 仙台育英 仙台商
福島 双葉

1回戦
仙台育英 4−3 秋田商
日大山形 2−0 双葉
仙台商 6−2 弘前
東北 2−1 高田
準決勝
仙台育英 3−0 仙台商
日大山形 5−4 東北
決勝
日大山形 7−3 仙台育英

北海道・・東北の出場枠は2校。北海道・・北海道大
会優勝の函館有斗と準優勝の旭川竜谷の2校に絞られ
、両校の直接対決の結果や総合力評価で上回った右
上手投げ好投手・黒田を擁する函館有斗が当選した。
東北・・推薦10校の中で14戦全勝をあげた東北
大会優勝の日大山形の力が抜きんでているとして当選
した。失策数は多かったが庄司、斉藤のパンチ力のあ
る3、4番を中心に猛打を誇るチームで山形県
勢として初の選抜出場となる。

関東
1位 2位
茨城 竜ヶ崎一
栃木 作新学院
群馬 東農大二
埼玉 大宮
千葉 銚子商 木更津中央
神奈川 横浜
山梨 峡南

1回戦
作新学院 10−0 東農大二
銚子商 3−2 竜ヶ崎一
横浜 6−0 大宮
木更津中央 2−1 峡南
準決勝
作新学院 4−0 銚子商
横浜 8−2 木更津中央
決勝
作新学院 6−0 横浜

東京
ブロック予選
早稲田実 城北 佼成学園 日大一
立川 修徳 明治 国士舘
創価 桜美林 早大学院 駒大高
日大二 日体荏原 日大三 城西

1回戦
日大一 4−0 城北
日体荏原 5−1 立川
城西 3−2 佼成学園
国士舘 2−0 早大学院
修徳 5−1 駒大高
早稲田実 2−1 日大二
明治 5−1 日大三
桜美林 4−4 創価
桜美林 6−2 創価
準々決勝
城西 8−1 日体荏原
日大一 0−0 明治
修徳 7−3 国士舘
桜美林 7−0 早稲田実
日大一 3−0 明治
準決勝
日大一 3−2 城西
桜美林 3−3 修徳
桜美林 7−0 修徳
決勝
桜美林 1−0 日大一

全国的に見て関東は強いと判断され、関東・東京の
出場枠は前年+1の5校になった。まずは関東、東
京で2校ずつ選び、さらにレベルの高い関東から
1校選ぶ。最初に当選したのは関東大会優勝の作新
学院で、主戦の鉄腕・江川は快速球と大小2種のカ
ーブで2年冬時点で8試合のノーヒットノーラン
(完全試合2回)を達成しており「尾崎以来、沢村
以来の大物」といわれる規格外の投手だ。
続いて1年生大型本格派投手・永川を中心に投打に
スケールが大きく戦力評価が高い横浜が当選した。
投手中心の守りが身上のチームが大会で勝ち上がっ
た東京からは日大一、桜美林、城西の3校に候補が
絞られ、東京大会優勝の桜美林が最初に当選。続い
て決勝で13奪三振の好投手・小山と堅守が評価さ
れた日大一が当選した。最後の1校を選ぶ前にまず
は関東、東京の力の比較では関東が上と再確認。
銚子商と木更津総合が最終候補に残った。その結果
、県大会決勝の直接対決の結果と、新チーム以降の
成績により銚子商が選ばれた。飯田、土屋の本格派
投手を育成しており成長力も買われている。

北信越
1位 2位 3位
新潟 長岡商 新潟商 吉田商
直江津工
長野 丸子実
富山 新湊
石川 星稜
福井 福井商

1回戦
福井商 8−1 直江津工
星稜 9−0 長岡商
丸子実 7−0 吉田商
新湊 11−3 新潟商
準決勝
丸子実 3−0 星稜
福井商 13−0 新湊
決勝
丸子実 5−1 福井商

中部
1位 2位
静岡 静岡商 市沼津
愛知 中京 東邦
岐阜 岐阜短大付 中京商
三重 名張 三重

1回戦
中京商 4−0 名張
中京 8−5 市沼津
東邦 3−2 岐阜短大付
静岡商 4−1 三重
準決勝
中京商 5−0 中京
東邦 5−2 静岡商
決勝
東邦 3−0 中京商

中部・・地区大会優勝の東邦と準優勝の中京商の2校
がまず当選した。東邦は牽制のうまい技巧派左腕・田
口を中心にチーム力が上昇、岐阜短大付戦では2ラン
スクイズを決めるなどバント、走塁も出色。
中京商は大黒柱のエース・山北が自慢の速球とシュー
トで好投した。3校目はベスト4の静岡商と中京の比
較になった。非凡な新人エース・高橋の将来性と地域
性も相まって静岡商が当選した。大会は「投の名張」、
「打の市沼津」の2チームが初戦で敗れ堅実なチーム
が好成績を残す結果になった。
北信越・・大会4強チームから丸子実、福井商、星稜
の3校に絞られ、大会優勝で21戦無敗の丸子実が
当選した。右腕・小林は大会で自責点0の快投、攻撃
もレベルが高い。寒冷地枠として最後の1校を福井商
、星稜で争った結果、チーム打率.344の打力、試合運
びで上回った福井商が当選した。

近畿
1位 2位
滋賀 伊香 比叡山
京都 京都商 東山
大阪 北陽 近大付
兵庫 尼崎西 報徳学園
奈良 郡山 天理
和歌山 和歌山工 向陽

1回戦
報徳学園 10−1 伊香
向陽 4−1 近大付
和歌山工 10−2 比叡山
天理 7−5 東山
準々決勝
天理 15−3 尼崎西
報徳学園 6−1 郡山
向陽 4−0 京都商
北陽 1−0 和歌山工
準決勝
報徳学園 5−0 向陽
北陽 6−3 天理
決勝
報徳学園 1−0 北陽

近畿大会優勝の報徳学園、準優勝の北陽がまずは当選。
報徳学園は週末の試合ごとに調子を上向かせる調整の
うまさが目立ち投攻守のバランスの良さも高い評価を
得た。北陽は本格派投手・有田を擁して失点が少ない。
続いてベスト4の向陽、天理とベスト8の和歌山工が
候補にあがり、投手力を買われた向陽が3番手で当選
。4番手には投手力に不安を残しながらも金森、吉村
佳、佐藤の中軸トリオを筆頭に大会随一の打撃の反発
力で勝ち上がった天理が当選。残り2枠を和歌山工、
近大付、京都商、東山、郡山の5校で比較し、ベスト
8で北陽に惜敗するも主戦投手・井上の評価が上がっ
た和歌山工と同じくベスト8でエースで4番小竹の京
都商が当選した。

中国
1位 2位
岡山 岡山東商 倉敷工
広島 広島商 広島工
鳥取 鳥取西
島根 江の川 松江商
山口 岩国 山口水産

1回戦
岩国 1−0 鳥取西
江の川 8−0 倉敷工
準々決勝
広島商 5−2 山口水産
岡山東商 3−0 広島工
5−0 江の川
松江商 2−1 岩国
準決勝
広島商 6−1
松江商 1−0 岡山東商
決勝
広島商 4−3 松江商

出場枠は山陰勢のレベル向上と寒冷地枠が加わって
5校に増えた。推薦14校のうち、中国大会に出場
していない4校がふるいにかけられ大会出場10校
で比較する。優勝の広島商と準優勝の松江商が同時
に当選を果たした。広島商は右の津村、左の佃の
左右両投手の活躍とお家芸の機動力が健在。松江商
は大会NO.1左腕の声もあがる好投手・中林は技巧派
から速球投手に変わり高めのつり球で空振りを奪える。
3校目はベスト4で守備が堅い岡山東商が当選。残る
2校を岩国、鳥取西、境で検討し、コツコツと堅実な
野球を展開する岩国、部員わずか12人で力を出し切
った境が当選した。ベスト8で主戦投手・下手投げの
林がケガの影響で打ち込まれた江の川は素質の高い
選手を揃え初戦の倉敷工戦での完勝で一気に各チーム
からマークされるなど注目された。

四国
1位 2位
香川 高松商 坂出
徳島 鳴門工 海南
愛媛 今治西 八幡浜
高知 高知商 土佐

1回戦
今治西 7−1 土佐
鳴門工 5−0 坂出
高松商 7−1 八幡浜
高知商 17−4 海南
準決勝
今治西 3−0 鳴門工
高松商 9−2 高知商
決勝
今治西 2−0 高松商

全国的に見ても高レベルの四国からは推薦12校のう
ち、地区大会ベスト4の4校と投手力の高い八幡浜の
5校を最終候補にしぼり出場3校を選ぶ。優勝の今治
西、準優勝の高松商がまずは当選した。今治西は3試
合をわずか1失点におさえたエース矢野が実績、度胸
抜群。田鍋、渡部一の中軸も勝負強い。高松商は強打
の高知商から14三振を奪った本格派・植上が中心。
残り3校のうち勝率・試合数が少ないことから八幡浜
が候補からはずれ、高知商と鳴門工で比較する。
打線が迫力不足ながら左腕・高橋の評価が高い鳴門工
と、大型打線の高知商との比較は激戦となり、最終的
に準決勝での試合内容により鳴門工が3校目で当選
した。

九州
1位
北福岡 小倉南
小倉商
戸畑
南福岡 柳川商
佐賀 唐津商
長崎 海星
熊本 鎮西
大分 日田林工
宮崎 宮崎実
鹿児島 照国
沖縄 前原

1回戦
小倉南 7−3 柳川商
鎮西 3−1 日田林工
唐津商 6−1 戸畑
準々決勝
宮崎実 4−2 照国
小倉南 4−3 前原
小倉商 2−1 鎮西
唐津商 3−0 海星
準決勝
小倉南 2−1 小倉商
宮崎実 5−4 唐津商
決勝
宮崎実 7−3 小倉南

九州大会優勝で選抜当確と見られた宮崎実が教員の
不祥事により推薦辞退。推薦19校から4校を
選ぶ。地区大会出場校の小倉南、小倉商、前原、鎮西
、唐津商、照国の6校に最終候補を絞って比較検討し
、小倉南、唐津商、前原、小倉商の順に当選していっ
た。準優勝の小倉南は大型左腕・日高がカーブでかわ
す投球。唐津商は本格派投手・草場が速球主体で海星
戦で12奪三振1安打完封を果たす。前原は主戦投手
・松野が小倉南戦で敗れるも延長12回14奪三振の
好投を見せた。小倉商は力投型の大型本格派・門田が
本調子ではなかったとはいえ、伸びのある速球、カー
ブ、シュートも使い分け好投。将来性は一番評価が
高い。小倉南と小倉商は西鉄北方線富士見町駅をはさ
んだ場所にあり300mも離れていない。