中等野球優勝野球大会1941年(昭16年)第27回大会 [地方大会]

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高校野球の歴史における幻の甲子園というと、一般では1942年の文部省主催の大会を思い浮かべるが、
中止になったこの1941年(昭16年)第27回大会も戦後しばらくの間は幻の甲子園という言葉で紹介
されることがあったようだ。
当時の予選の日程表を見る限りでは、前年夏と同じく甲子園は22校出場の予定であったと
思われる(2次予選なしの代表決定は東京、大阪、兵庫、台湾、満州)。
文部省次官通達により全国中等野球が禁止になったのは7月の中旬のことで、その後から大会が
開幕された地区もあり、正式な予選という形とは違うことになる。
この大会では何度も甲子園に手の届くところまで勝ち進みながら今だ甲子園出場のない
帝京商(のちの帝京商工、帝京大高)が東京府大会を制している。
また台湾の嘉義農林−台北工の試合では最初の試合で8回0−0降雨引き分け、再試合でも
また7回0−0降雨引き分け、再々試合では延長25回、嘉義農林 2−1 台北工で決着という
3日間、なんと40イニングという死闘も繰り広げられていたのだ。
下の表では各大会の優勝校を紹介しているが、大会の途中で中止になったのは兵庫だけで、
その他の予選は最初から行わなかったか優勝が決まるまで試合を行ったかのどちらかになっている。

北海道大会
帯広 行われず
旭川 行われず
函館 行われず
小樽 小樽中リーグ戦により
札幌 札幌一中
札幌 決勝  
札幌商
札幌一中

奥羽大会
青森県 青森工
岩手県 行われず
秋田県 行われず
青森 決勝  
青森中 
青森工 

東北大会
山形県 山形商
宮城県 仙台二中
福島県 行われず
山形 決勝  
山形商
山形中
宮城 決勝  
仙台二中
仙台一中

北関東大会
茨城県 水戸商
栃木県 下野中
群馬県 桐生中
茨城 決勝  
水戸商
茨城工
栃木 決勝  
下野中
市宇都宮商
群馬 決勝  
桐生中
桐生工

南関東大会
埼玉県 大宮工
千葉県 千葉商
神奈川県 横浜商
埼玉 決勝  
大宮工
川越中
千葉 決勝  
関東中
千葉商
神奈川 決勝  
横浜商
神奈川商工

東京大会
東京府 帝京商
東京 決勝  
帝京商 14
京王商

信越大会
新潟県 長岡商
長野県 長野商
新潟 決勝  
新潟商
長岡商
長野 決勝  
松本商
長野商

山静大会
山梨県 韮崎中
静岡県 島田商
山梨 決勝  
日川中
韮崎中
静岡 決勝  
島田商
富士商

東海大会
愛知県 行われず
三重県 行われず
岐阜県 岐阜商
岐阜 決勝  
岐阜商 20
岐阜二工

北陸大会
富山県 X 行われず
石川県 金沢商
福井県 敦賀商リーグ戦により
石川 決勝  
金沢一中
金沢商

京津大会
滋賀県 膳所中
京都府 平安中
滋賀 決勝  
膳所中
大津商
京都 決勝  
平安中
京都一商

大阪大会
大阪府 日新商
大阪 決勝  
浪華商
日新商

兵庫大会
兵庫県 2回戦途中で中止

紀和大会
奈良県 畝傍中
和歌山県 行われず
奈良 決勝  
畝傍中
五條中

山陽大会
岡山県 関西中
広島県 行われず
山口県 行われず
岡山 決勝  
玉島商
関西中

山陰大会
鳥取県 米子中
島根県 行われず
鳥取 決勝  
鳥取商
米子中

四国大会
香川県 行われず
徳島県 行われず
愛媛県 行われず
高知県 市高知商リーグ戦により

北九州大会
福岡県 行われず
佐賀県 行われず
長崎県 長崎商
長崎 決勝  
鎮西学院
長崎商

南九州大会
熊本県 熊本工
大分県 大分商
宮崎県 宮崎中
鹿児島県 鹿児島商
沖縄県 沖縄二中
熊本 決勝  
熊本工
熊本商
大分 決勝  
大分工
大分商
宮崎 決勝  
宮崎中
宮崎商
鹿児島 決勝  
鹿児島実 
鹿児島商 
沖縄 決勝  
沖縄水産
沖縄二中

朝鮮大会
北鮮 清津水産
中鮮 行われず
南鮮 行われず
西鮮 行われず
北鮮 決勝  
清津水産 11
咸興商

台湾大会
台湾 嘉義中
台湾 決勝  
台北二師範
嘉義中

満州大会
満州 天津商リーグ戦により