高校野球 年度別 選抜選考経過 1971年(昭46年)第43回大会

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各地区 前年1970年(昭45年)秋季大会の結果と選抜選考経過

(甲子園出場校・・、補欠校・・、繰上げ甲子園出場の補欠校・・、備考・・
北海道
支部予選
札幌札幌工
北海
小樽倶知安 旭川旭川大高
室蘭室蘭大谷 函館函館有斗 南空知駒大岩見沢
北空知芦別工 名寄名寄 十勝帯広白樺
釧根釧路江南 北見北見柏陽

1回戦
釧路江南 6−0 駒大岩見沢
倶知安 8−0 帯広白樺
芦別工 7−1 函館有斗
北見柏陽 3−2 名寄
準々決勝
釧路江南 5−3 旭川大高
室蘭大谷 4−1 倶知安
芦別工 6−0 札幌工
北海 3−0 北見柏陽
準決勝
芦別工 1−0 釧路江南
北海 6−4 室蘭大谷
決勝
北海 5−2 芦別工

東北
1位 2位
青森 弘前
岩手 黒沢尻工
秋田 金足農
山形 酒田商
宮城 東北
福島 安積 小高工 福島商

1回戦
金足農 12−1 酒田商
弘前 5−1 安積
福島商 11−5 黒沢尻工
小高工 6−3 東北
準決勝
弘前 1−0 金足農
福島商 5−2 小高工
決勝
福島商 3−2 弘前

寒冷地に希望を与えようという趣旨で北海道・東北の
出場枠は前年比+1の3校になり、東北から2校が選
ばれることになった。北海道・・北海道大会決勝進出
の北海と芦別工の比較になり、直接対決で勝った北海
が地区7勝0敗の成績も評価され当選した。伝統の投
よりも打に威力のあるチームで3番遊撃大塚、4番中
堅若松など大型打者がそろう。東北・・東北大会上位
の福島商、弘前、金足農の3校に候補をしぼって検討
し、まずは優勝の福島商が当選した。3試合のチーム
打率.322で打撃が良い。2校目には部員わずか14人
でまとまりが良く、投手力の優れた準優勝の弘前が
当選した。
・・選抜出場を決め甲子園に向けて出発した北海だっ
たが、一般生徒による暴行事件により青函連絡船での
移動中に出場辞退が決定し(涙のUターン)、
補欠校の芦別工が代役で選抜出場することになった。

関東
1位 2位
茨城 竜ヶ崎一
栃木 作新学院
群馬 東農大二
埼玉 深谷商
千葉 木更津中央
神奈川 武相
山梨 吉田 韮崎工

1回戦
木更津中央 2−1 武相
竜ヶ崎一 9−8 吉田
作新学院 7−1 東農大二
深谷商 2−0 韮崎工
準決勝
木更津中央 6−0 竜ヶ崎一
深谷商 2−1 作新学院
決勝
深谷商 2−0 木更津中央

東京
ブロック予選
戸山 佼成学園 堀越 日大三
桐朋 日大一 早稲田実 国立
二松学舎大付 桜美林 駒大高 日体荏原
聖学院 中大杉並 修徳 中大付

1回戦
日大三 8−0 中大付
修徳 7−0 戸山
早稲田実 10−4 佼成学園
堀越 10−0 中大杉並
国立 9−1 聖学院
桐朋 10−0 駒大高
桜美林 1−0 日体荏原
日大一 7−1 二松学舎大付
準々決勝
日大三 3−0 修徳
早稲田実 8−1 国立
堀越 7−0 桐朋
桜美林 1−0 日大一
準決勝
堀越 6−5 桜美林
日大三 6−3 早稲田実
決勝
日大三 4−1 堀越

関東から深谷商、作新学院、木更津中央、千葉商、武
相の5校、東京からは日大三、堀越、早稲田実、桜美
林の4校のそれぞれ地区大会上位校に候補をしぼって
議論が進められた。関東大会で優勝の深谷商がまずは
当選。スピードボールを駆使して27イニング1失点の
本格派エース竹内広の力が優れている点が強調された。
続いて東京から圧倒的な力で地区大会を制した日大三
が当選した。エース渡部は1試合平均14奪三振5四
死球で荒削りながら大会でしり上がりに調子を上げ
好投した。続いて関東からベスト4の作新学院が当選。
下手投げ金瀬は準決勝で深谷商・竹内広と互角の投げ
合いを演じた。最後の1校は木更津中央と堀越が最終
候補に残り、県予選で強豪の千葉商に延長14回で勝
ち地区大会でも武相に勝って創部8年目にして初の決
勝進出を果たした木更津中央が実力を評価され当選し
た。堀越と武相は補欠校へ。

北信越
1位 2位 3位
新潟 三条
長野 塚原天竜
富山 高岡商 八尾 氷見
石川 金沢桜丘
福井 福井商

1回戦
八尾 9−0 三条
金沢桜丘 9−0 氷見
塚原天竜 1−0 高岡商
準決勝
福井商 3−0 八尾
金沢桜丘 6−1 塚原天竜
決勝
福井商 9−2 金沢桜丘

中部
1位 2位
静岡 静岡学園 静清工
愛知 東邦 名古屋電工
岐阜 県岐阜商 岐阜工
三重 三重 宇治山田商

1回戦
東邦 3−1 静清工
三重 6−2 岐阜工
県岐阜商 8−1 名古屋電工
静岡学園 3−1 宇治山田商
準決勝
県岐阜商 1−0 静岡学園
東邦 3−1 三重
決勝
東邦 5−4 県岐阜商

中部・北信越の地区の実力比較から出場枠は中部3、
北信越1に決まる。北信越・・推薦された各校が次々
ふるいにかけられ、地区決勝を争った福井商と金沢桜
丘の2校に絞られ、地区優勝で好投手・上浜を中心に
攻守で上回った福井商が当選した。地区決勝が雨中の
3連投となりツキがなかったが金沢桜丘・荒山も同じ
く右の好投手として高い評価を得た。中部・・地区大
会ベスト4に残った東邦、県岐阜商、三重、静岡学園
が最終候補に残った。まずは地区優勝、19戦全勝で
左腕・水谷の投手力も評価された東邦が当選した。バ
ットを短く持ってしぶとく打ち返し2勝をあげた県岐
阜商が2校目で当選。3校目は試合運びがうまくパワ
ーでは1枚上とも言われた三重が当選した。

近畿
1位 2位
滋賀 比叡山 長浜商工
京都 平安 大谷
大阪 大鉄 近大付
兵庫 三田学園 報徳学園
奈良 郡山 一条
和歌山 市和歌山商 南部
地区大会不出場・・向陽(和歌山4強)
1回戦
一条 2−1 大谷
報徳学園 10−0 比叡山
近大付 2−0 南部
郡山 5−0 長浜商工
準々決勝
市和歌山商 4−3 一条
報徳学園 1−0 大鉄
平安 3−2 近大付
三田学園 2−0 郡山
準決勝
市和歌山商 6−2 報徳学園
三田学園 6−1 平安
決勝
市和歌山商 1−0 三田学園

近畿地区は有力校3校が不祥事により推薦辞退(市和
歌山商、三田学園、南部)するも出場6校の枠は変え
ずに選考が行われることになった。総合的、多角的に
検討するということで推薦辞退の3校を除く近畿大会
出場9校に大会に出場していない育英、芦屋、向陽も
加えた12校が選考対象になった。その中でまずは初
戦敗退の比叡山、長浜商工の滋賀勢2校がふるい落と
された。続いて大会出場9校から順に選ぶことになり
、ベスト4の平安と報徳学園が当選した。平安は本格
派投手・浦久保、報徳は下手投げ・金沢の素質も評価
が高い。3校目はベスト8でチーム成績20勝1敗と
抜群の郡山が浮上。4、5校目には近大付と大鉄の大
阪勢が当選。続いて育英、芦屋、向陽、一条の比較に
なり、一条の投手力が大きく買われて最後の6校目で
当選した。

中国
1位 2位
岡山 倉敷工 勝山
広島 広島商 盈進
鳥取 米子工 倉吉産
島根 浜田 大田
山口 岩国 柳井

1回戦
大田 4−3 勝山
柳井 6−0 米子工
準々決勝
岩国 4−2 広島商
浜田 2−0 盈進
柳井 3−2 倉敷工
大田 5−4 倉吉産
準決勝
岩国 3−1 大田
浜田 2−1 柳井
決勝
岩国 4−2 浜田

序盤で広島商、倉敷工の名門が敗れるなど地区大会は
盛り上がりに欠け「不作の年」との評価がそのまま出
場枠減前年3→2のにつながったようだ。まずは鳥取
、広島両地区のチームがふるいにかけられ、大会4強
の4校が最終候補に残り、まずは優勝の岩国が当選し
た。打っても大会5割の左腕・広本など投手力があり
20勝1敗の高い勝率を残した。残る3校の比較で準
優勝の浜田が当選。チーム打率.323でどこからでも打
てる打線を持ち18勝3敗の勝率も他校を上回った。

四国
1位 2位
香川 坂出商 丸亀商
徳島 徳島商 鳴門工
愛媛 新居浜東 帝京第五
高知 高知 高知商

1回戦
坂出商 14−7 鳴門工
高知商 1−0 新居浜東
高知 7−4 丸亀商
徳島商 7−2 帝京第五
準決勝
坂出商 1−0 高知商
高知 9−4 徳島商
3位決定戦
徳島商 7−5 高知商
決勝
坂出商 9−5 高知

12校が推薦されその中からまずは決めてに欠くとし
て中村、池田、新居浜商、鳴門、帝京第五、丸亀商の
6校が選外へ。総合力は四国でも上位の高松商は候補
に残った。次に上位校の選出に入り、まずは乱戦の四
国大会を制し投攻守の均衡が取れている坂出商が当選
した。続いて決勝の坂出商戦に17安打するなど攻撃
力が高いピストル打線の高知が2番目で当選。3校目
はベスト4の徳島商と高知商の比較になった。その結
果3位決定戦に勝っている徳島商が当選した。秋はひ
じを痛めて登板のなかった本格派投手・国岡の活躍が
期待される。

九州
1位 2位 3位
北福岡 戸畑商
南福岡 筑紫工
佐賀 佐賀北
長崎 佐世保工
熊本 九州学院 熊本商 熊本二
大分 津久見
宮崎 宮崎商
鹿児島 鹿児島商
沖縄 普天間
地区大会不出場・・沖縄水産(沖縄4強)
1回戦
佐世保工 4−3 熊本二
津久見 4−1 宮崎商
熊本商 3−0 佐賀北
準々決勝
戸畑商 3−2 筑紫工
佐世保工 3−0 普天間
津久見 8−1 九州学院
鹿児島商 2−0 熊本商
準決勝
津久見 8−1 佐世保工
戸畑商 6−2 鹿児島商
決勝
津久見 5−0 戸畑商

九州7県から推薦された16校のうち、地区大会に出
場していない学校は中津工を除きすべて除外した。
残った候補の内、地区大会出場の宮崎商、津久見、戸
畑商、鹿児島商、佐世保工、中津工が最終候補に残っ
た。まずは優勝の津久見が当選した。右速球派・橘は
長身から打者の胸元を突く速球が武器で制球も良い。
4試合.371の打線も強力で佐世保工戦で2本塁打の
岩井に塩崎、矢田と強打者が並び上位は破壊力がある。
続いて準優勝の戸畑商が当選。次に佐世保工が選外へ。
中津工、宮崎商、鹿児島商で最後の1校を選ぶことに
なった。まず中津工が地域性により脱落、鹿児島商と
宮崎商の比較で戦績でわずかに上回るとして鹿児島商
が最後の枠にすべりこんだ。カーブの良い左腕投手の
有村が注目選手としてあがる。

沖縄
普天間と沖縄推薦の2校が推薦され、両校の戦力を細
かく比較する。九州大会での速球投手・玉城の好投と
予選での直接対決の結果により普天間が沖縄水産に
実力で上回るとして当選した。