高校野球 2005年夏 第87回選手権大会 作者のコメント

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今大会は非常に見所が多く、大変楽しめました。
この数年では最高にスケールの大きい大会だったではないでしょうか。

優勝した駒大苫小牧はやはり強かった。3人の超高校級の投手陣の存在は
大きかったですね。私は特に2年生の田中投手が素晴らしかったと思います。
高速で外角に決まるスライダーに、伸びのある直球、そしてあの気合いに
強気な内角攻め。大阪桐蔭戦での前半の好投は非常に大きかったです。
そして彼らのトレードマークである堅い守り。地方大会、甲子園と合計で
失策はたったの2つというのですから、いかに完成度の高い守備かがわかります。
攻撃陣としては、昨夏ほどの迫力はないものの、大阪桐蔭戦、鳴門工戦での
連打を見ていると彼らの集中力の高さを感じます。
さらに鳴門工戦で5点のビハインドでも笑顔で試合ができるという大舞台での
経験の強みもありました。
また大阪桐蔭戦や京都外大西戦では相手に行った流れをまた自分たちの方に戻す
粘り強さも印象的でした。

準優勝の京都外大西も好チームでした。前評判は高くなかったものの、
名将・三原監督に率いられ関西戦、宇部商戦での大逆転は見事でした。
また重盗を含む機動力を生かした変幻自在の攻めは素晴らしかった。
決勝では力尽きましたが好救援の本田投手をはじめ1・2年生に素質豊かな
選手が多く、来年・再来年は是非優勝めざしてがんばって欲しいですね。

準決勝で敗れた大阪桐蔭は辻内投手に平田選手と大型選手を擁して優勝候補
NO.1に挙げられ、期待通りの活躍でした。しかしスター軍団ならではのもつれた
試合でのもろさを感じ、大型チームの戦いも楽ではないと思いました。
優勝こそ逃しましたが将来楽しみな選手が多いですね。アマ最速左腕の
辻内投手
は凄まじい速球で5試合連続の2桁奪三振、見事でした。
また1試合3本塁打の平田選手には本当に度肝を抜かれました。彼は走塁も
非常に素晴らしかった。2人共にプロに進んで大選手になって欲しいですね。
強い大阪の復活でした。

好永投手の力投が光った宇部商も非常に印象的でした。
彼のコントロールの良さ、緩急、内角に攻める強気のピッチングは本当に
見事でした。準決勝では疲れで球が高めにいきましたが、地方大会から1人
で投げぬいた鉄腕は我々の記憶にしっかりと刻まれました。
試合は悔しい敗戦になりましたが、名将・玉国監督とすれば、これで
近代の高校野球における全国制覇のモデルができたのではないでしょうか。

愛工大名電、済美と強豪を撃破し、大阪桐蔭にも真っ向勝負で挑んだ清峰
この夏輝いていましたね。やはり県内の選手だけでチームを作る学校は
(清峰、宇部商など)気づいたら応援しています。

本当にすごい大会でしたね。
140キロ以上の速球を計測した投手がたくさんいましたし、その速球にも
負けていない打力もすごい。「近代の高校野球はレベルが低下している」
と以前本で読みましたが、小技を含めた細かい野球では確かに昔の方が
上だったかも、とも思いますが迫力や熱さではむしろ現代の高校野球の方が
上なのでは、と思っています。
そして今大会最後の1球は駒大苫小牧・田中投手の150キロ!

私は関西人なので近畿の学校を主に応援していましたが、この駒大苫小牧の
優勝・夏2連覇はあまりに見事であり、すがすがしい気分でもあります。

駒大苫小牧のみなさん、本当におめでとう!