高校野球 2007年春 第79回 選抜甲子園 作者のコメント

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今年の選抜では優勝候補が次々と姿を消していく中、昨年秋の明治神宮大会ベスト4ながら
大会前の評価では主にA〜CのB評価でそれほど戦力は高く評価されていなかった常葉菊川が
優勝しました。
それにしても倒した相手が大会ナンバー1右腕の佐藤由投手の仙台育英、優勝候補の一角にもあげら
れていた今治西、大会随一の打線・大阪桐蔭、機動力の九州王者の熊本工、そして決勝は新鋭の
大垣日大を3点差をひっくりかえしての優勝。
選抜優勝校は前評判の高くなかった学校が優勝するとよくフロックと言われたりもしますが、
今回の常葉菊川は文句なく実力での優勝だったと思います。
初戦の仙台育英戦ではずいぶん早い段階から思いきり振っているなあと思っていましたが、
大会通算犠打は近年では極端に少ないたったの1。犠打が少なかったこともあり通算打率は目立つ
数字ではなかったですが、まさに攻撃型のチームでした。
また投手も強気で抜群のコントロールだった田中投手、仙台育英戦で見事なリリーフを見せた
戸狩投手の両左腕とかなりの素晴らしいピッチングでした。準決勝、決勝では疲れからか多少
打たれましたが、今大会では最高に安定感のある投手陣でした。
また大阪桐蔭の中田選手に対しての強気な攻めなど石岡捕手のリードも光りました。

準優勝の大垣日大はそれほど際立った強さを感じなかったものの、試合運びという点では非常に
優れていました。すべての試合で初回に得点し、試合をリードして堅守で守り抜くという野球でした。
守備が評価される希望枠からの出場ということで、決勝までの4試合でエラーがたったの1という
守備の良さが決勝進出の原動力でした。東邦時代は怖いイメージが強かった阪口監督の笑顔も
印象的でした。

機動力野球を持ち味とした熊本工は今回一番特徴的なチームだったではないでしょうか。
特に藤村選手は左中間の2塁打の当たりで楽々3塁まで到達するなどとんでもない俊足に驚きました。
(まさにファミスタのぴのでした)。相手の守備をかきまわす機動力野球は見ていて非常に
面白かったです。守備では多少エラーも目立ちましたが、外野の返球での本塁タッチ
アウトなど素晴らしいプレーが目立ちました。

優勝候補としてかなり評判の高かった帝京は大阪桐蔭が破れた時点で優勝するだろうと思っていました
が思わぬところでミスが出てしまいました。初回の失点が痛すぎました。
しかし選抜4強の中ではもっとも夏の甲子園でも活躍できそうな大型チームに思えます。
2回戦での死球が悔やまれる大田投手や強力な打線でまた夏も甲子園に出れば優勝候補でしょう。

ダントツの優勝候補筆頭と見ていた大阪桐蔭は守備では相当な高レベルなプレーを見せつけました
が、打線のつながりという点では今ひとつでした。中田選手のマークがやはりきつかったですね。
私は体の開きやステップ等まで言及するほどの知識はないですが、中田選手はまだインコースを弱点
としているようでした。初戦の栗山投手のインコースの空振りは昨年夏の斎藤投手との対決を思い出し
ました。それでもやはり今大会最高の2本塁打ですから大したものです。
今年の夏、大阪桐蔭に久しぶりの大阪勢の優勝を期待しています。

あと飛ばないボールになったからか、どの学校もそれほど打線がすごいという印象は残らなかったです
(ベスト8での帝京ぐらいです)が、その分息詰まる接戦も多く今大会も本当に楽しめました。
常葉菊川は選抜優勝ということで、今後は招待試合などでいそがしくなると思いますが、
最高のコンディションで夏もまた甲子園に戻ってきて春夏連覇を目指してほしいですね。

常葉菊川のみなさん、本当におめでとう!